I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「暗闇の爆撃/叶わぬ賭け」ヴァン・ヘイレン

2020.10.09

category : Van Halen

Van Halen - Eruption / Ain't Talkin' 'Bout Love (1978年)

1980年代最大のギター・ヒーロー、エディ・ヴァン・ヘイレンを追悼する特別編。

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ “ライトハンド”エディ・ヴァン・ヘイレン、逝く ~

全世界で8,000万枚以上のアルバム・セールスを誇るアメリカのHR/HM系バンド、ヴァン・ヘイレンのギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレン(Edward Van Halen/以下・エディ)が現地時間10月6日、癌のため亡くなりました(享年65)。

もしロック・ファンでなく、ヴァン・ヘイレンや彼の名を知らない人であっても、マイケル・ジャクソンの「Beat It」を知っている人なら、あの“物凄いギター・ソロ”に覚えはあるでしょう…それがエディです。
彼のタッピング奏法は日本で“ライトハンド奏法”と別格的に表され、オールタイムのギタリスト・ランキングでも米 Rolling Stone 誌8位(2011)/英 Total Guitar 誌4位(2020)に位置付けられています。

本記事を偉大なギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレンに捧げます。



~ 暗闇の爆撃(Eruption) ~

1978年の1stアルバム『炎の導火線(Van Halen)』はヴァン・ヘイレンのキャリアで唯一、Billboard 200でTop10入りしなかった作品(19位)ですが、1996年にはアメリカだけで売り上げが1000万枚を超えるなど根強い人気を誇った名盤です。
本記事で取り上げる「暗闇の爆撃(Eruption)」「叶わぬ賭け(Ain't Talkin' 'bout Love)」は何れもシングルとしてヒットしたわけではありませんが、ギタリストとしてのエディを語る上で欠かすことのできない作品です。


冒頭の動画に紹介した「暗闇の爆撃(Eruption)」は、全編エディのギター・ソロをメインとしたインストゥルメンタル・ナンバーで、Guitar World 誌【50 Greatest Guitar Solos】2位(2009)、Rolling Stone 誌【Eddie Van Halen’s 20 Greatest Solos】2位(2020)と評されている楽曲です。
本曲は元々1975年頃からステージで披露されていた即興演奏のようなもので(その時々でフレーズも変わる)、当初アルバムのトラックとは見なされていなかったものの、プロデューサーのテッド・テンプルマンがスタジオでリハーサルのプレイを気に入り、レコーディングすることになりました。

邦題は「暗闇の爆撃」ですが【Eruption】は[(火山の)爆発]を意味する言葉で、激しいギターはそれを表しているのでしょう。
そのための“速弾き”と“ライトハンド奏法”は世界中のギター・プレイヤーに衝撃を与え、彼を一躍有名にし、“誰もがマネしようとしました”が、1985年の大ヒット映画『Back to the Future』でも主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)が演じた「ジョニー・B.グッド」チャック・ベリー(過去ログ)の中に“そんな風潮”がネタとして使われるほど、当時の若者の間でこの奏法が浸透していました。


本曲でエディが披露したタッピング(※)はそれ以前からあるテクニックで、彼が発明者ではありませんが、エディによると“以前のプレイヤーたちは指で叩いてひとつの音を出すだけで、誰も本当にモノにしているとは言えなかった。俺が本格的に追及し誰も弾いたことのない全く新しいテクニック、全く新しいサウンドになった”と語っています。
指板上の弦を指で叩き付けて押弦したりそのまま横に弾いたりして音を出す技法)

またエディによると、この奏法を取り入れるきっかけはレッド・ツェッペリン1969年の「Heartbreaker」でのジミー・ペイジのギター・ソロだったそうです。
そのことについて、彼は“あの曲を聴いてハンマリング・オンとかいう弾き方を思いついた。いまではハマリング・オンやプリング・オフと呼ばれているけど、「Heartbreaker」をきっかけに右手の人差し指を左手の6本目の指のように使う奏法を思いついた”と説明しています。


 



~ 叶わぬ賭け(Ain't Talkin' 'bout Love) ~

「叶わぬ賭け(Ain't Talkin' 'bout Love)」は、Rolling Stone 誌【Eddie Van Halen’s 20 Greatest Solos】(2020)で堂々の1位に輝いた、 “これぞハード・ロック”なナンバー。
デビュー前エディがパンク・ムーブメントに対するパロディとして着想した楽曲で、当初“2つのコードだけで作った馬鹿げた代物だった(本人談)”ため、メンバーに公表するのに1年かかったそうです。
その後レコード契約を結ぶ前から初期のショーの多くでこれを演奏し、1977年にキッスのジーン・シモンズがプロデュースしたデモ音源が存在するともいわれています。

「Ain't Talkin' 'Bout Love」は3rdシングルとしてリリースされましたが、チャート・インを果たせませんでした。
ただし上記のとおりファンに愛され続けている曲であり、近年もアメリカでは最初にリリースされたときと同じくらいラジオで流されているそうで、日本でも2010年に日産エルグランドのCM(王者の凱旋編)で本曲のライブver.が使用されました。


 



~ Epilogue ~

ヴァン・ヘイレンがデビューした1978年というと世界の人々を熱狂させていたのは『サタデー・ナイト・フィーバー』(過去ログ)、つまり“ディスコ・サウンド”であり、それに対し70年代に隆盛を誇ったレッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどハード・ロックは崩壊/衰退、ローリング・ストーンズやロッド・スチュワートら“ロックの象徴”がディスコ・ミュージックをやる時代でした。
そんな風潮の中で無名のロック・バンドがデビューし、1年足らずで米国内でのアルバム・セールスが100万枚以上に達したことは相当な健闘だったといえるのでしょう。

しかしそれは“ビギナーズ・ラック”などではなく、時代を変える程の実力を備えた次代のギター・ヒーローの登場に伴う“必然”だったのです。
当時まだ殆どのロック・ファンにとってエディは未知の存在であり、しかし『炎の導火線』で彼が奏でる聴いたこともない“魔法のようなギター・フレーズ”が一流ギタリストの間でも“どうやって弾いているのか”と話題となっていました。
その波紋がファンの間にしわじわと拡がり、容易に映像で確認する手立てのない時代背景が彼の神秘性を増幅させ、その“秘密”を知ってからも“あの音を出してみたい”とプロ・アマ問わず世界中のギタリストの探求心に火を点け、気が付けば80年代前半にはHR/HMの人気が再燃、そして自らの『1984』によってHR/HMブームの復活を宣言することになるのです。

エルヴィス・プレスリーやブルース・リー、マイケル・ジャクソンらが強烈な個性と革命的な技能で人々を魅了し時代を拓いたように、エディもそれに匹敵する偉大なアイコンの一人でした。


しかしギターを持ちステージに立てば“無双”の天才も、肉体は生身の人間でした。
アクロバティックなステージ・パフォーマンスによる度重なる怪我(人工股関節置換術など)や、2000年に舌がんを発病し舌の約3分の1を切除、完治したとされていたものの2011年春にがんを再発、2012年には大腸憩室炎の緊急手術を受けるなど、健康面の問題を抱えながらバンド活動を続けていました。
2019年10月には喉頭がんの治療を行っていることが報じられ、メンバーのデイヴィッド・リー・ロスも“ヴァン・ヘイレンは(バンドとして)終わったんだと思う”と発言するなど、事態の深刻さを窺わせました。

それでも、“エディは最期までエディ”でした。
兄であるアレックスによるとエディの最期を見送ったのは彼と一人息子のウルフギャング、エディの奥さまと前妻だったそうですが、そのうち前妻でウルフギャングの母でもあるヴァレリーさんは、次のように追悼したといいます。

肺がんの困難な治療中ずっと、あなたは素晴らしい精神とあのいたずらっ子のような笑顔を保ち続けた…”

R.I.P. Edward Van Halen



Eddie's Solo | Ain't Talkin Bout Love - Tokyo Dome Live Tokyo, Japan 2013

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 70's HR/HM かっこいい 偉大なギター CM曲 

コメント

エディさんの訃報であちこちで追悼投稿が増えているんでしょうね。小生はヴァン・ヘイレンは今まで一度も掲載しておらずいつか書かなきゃと思いつつも数年の歳月が経過しています。、80年代以降のハードロックはリアルタイムに聴いていなかったので、知見ある皆様にエラソーに語る身にはあらずと気後れ感がずっと続いていました。ベスト盤などを聴いてある程度勉強はしているつもりですが、まだまだ未熟であり、自分が取り上げると付け焼刃的・ミーハー的になるので今はやめておきます。今年の最後の記事でロックレジェンド物故者を振り返りながらジックリと追悼してみたいと思います。

2020.10.09  ローリングウエスト  編集

Beat Wolfさん、こんにちは。

恥ずかしながらVan Halenについては全く知りませんでした。最近新聞で死亡した記事を読みましたが「誰?」というくらいでした。
ここにアップされたyoutubeを見てどえらい感動でした。もともとギターが好きだったこともあります。特殊な奏法や速弾きだけではなく音楽性の高さに感服しました。
いや~まいりました!本当に!

2020.10.09  忠      編集

ローリングウエストさん

今回訃報が意外に大きく報じられたので、むしろ驚いています。
洋楽を聴かない一般の人が知っているのは精々「beat it」か「jump」ぐらいと思っていますから。
しかも何十年も前のことですし。(笑)
ただ、私がリアルタイムで聴いた中で「インパクト」という意味で一番のギタリストでした。
機会があったら聴いてみてくださいね。

2020.10.09  Beat Wolf  編集

忠さん

そうでしょう。
知らない人にとってはそうだと思います。
当時の人は音を聴いて「どうやって弾いてるのか」と驚いたらしいですが
その意味が分からない人にとっては映像を見せた方が凄さがわかると思い
演奏動画を紹介しました。

>特殊な奏法や速弾きだけではなく音楽性の高さに感服
多くの支持を獲得できたのは、まさにそれだと思います。

2020.10.09  Beat Wolf  編集

初めまして!

初めまして!
実はジャクソンズの記事を見つけてこのブログに来ました。
van halenとの出会いはベストヒットUSAでの「1984」の紹介でした。当時はまだレコードの時代で急いでお茶の水の貸レコード店に借りに行き聴き倒したのを覚えています。
初ライブは1989年のドーム公演。サミーへイガー加入後で雑誌では当時ヴァンへイガー(笑)とか言われていたのを思い出します。
ロス時代の印象深いライブはベストヒットUSAでUSフェスティバルの特集に放送されたライブでした。「1984」以降はメロディ重視で、とにかく早弾きしていたのは1983年位までだったような気がします。素晴らしいギタリストでした。

2020.10.11  blackmore1207  編集

Re: 初めまして!

初めまして。
ジャクソンズの記事から来られたのですか
遠いところ、ありがとうございます。

私も出会いは「1984」だったので
当時は「こういうもの」と思って聴いていましたが
昔から聴いていた人は違和感があったでしょう。
何といっても最大の武器であるギターを後退させたのですから。
でも彼は早弾きよりも音楽を選んだのだと思います。
クラプトンがそうであるように
楽曲が良くないと長くは愛されませんから…
そのことがわかっていたのだと思います。

2020.10.11  Beat Wolf  編集

本当に残念です。

私はファンではありませんでしたが
注目はしていました...
「何と中途半端な者だろう」と
ファンからはお叱りを受けそうです。
確かに初めて聴いた演奏には驚きました。
でも夢中にはなりませんでした。
そこは好みの問題だと思いますが.....

色んな意味で大変な喪失だと思います。
どんな形でもいいので、彼にグラミーを。
記憶,記録共に後世の者に知らせる為にも...
そう思います。

2020.10.13  コタパパ  編集

Re: 本当に残念です。

私もテクニック至上主義ではないので、お気持ちはわかります。
音楽はその言葉が表す概念が最上であって
テクニックはその手段に過ぎないからです。
そのことはエディ自身もわかっていて
「ガンマンみたいに競技会で相手を打ち負かしたいと準備してる奴だと思われたくない」
と言っています。

そんな弾き方ばかりしてたら手が壊れてしまうし聴く方も飽きてしまうでしょう。
長年音楽家として愛され続けてきたことを評価してほしいですね。

2020.10.13  Beat Wolf  編集

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