1940年5月、アーヴィングはビング・クロスビー、フレッド・アステア主演のミュージカル映画『スイング・ホテル(Holiday Inn)』の音楽担当を契約します。 監督は『トップ・ハット』で本曲の使用を認めなかったマーク・サンドリッチでしたが、今度は許可され、1941年11月から1942年2月まで撮影が行われました。 撮影中だった1941年のクリスマス、ビングは自身がホストを務めるラジオ番組『The Kraft Music Hall』の中で「White Christmas」を歌唱(Epilogue に関連)、歴史に残る名曲はレコード発売や映画の公開(1942年8月)より何か月も早く世にお披露目されています。
「White Christmas」の最初のレコーディングは1942年5月29日、ジョン・スコット・トロッターの楽団とケン・ダービー・シンガーズとの共同名義で行われ、映画公開直前の同年7月30日に発売されました。 8月に『スイング・ホテル』が公開されると、同作は当時のミュージカル映画として最高の興行収入を記録、それと歩調を合わせるように「White Christmas」も Billboard のポップ・チャートで 11週No.1(年間4位)に輝き、映画の挿入歌として『アカデミー歌曲賞』を受賞しました。 しかしデータを見ると驚くべきは、その後1949年まで毎年6位以上を記録(45/46年はNo.1)し、直近の2018年もBillboard Hot 100で34位/2019年に全英31位を記録するなど、発売から80年近く売れ続けているポピュラー・ソングは本曲のほかには存在しないでしょう。
1954年、「White Christmas」はビング主演のミュージカル映画『ホワイト・クリスマス』の主題歌として再び劇中で本曲がフィーチャーされ、同年の興行成績トップを記録するなど、大きな話題となりました。 カバーは500以上あるとされ、ドリフターズやペリー・コモ、アンディ・ウィリアムス、パット・ブーン、山下達郎、マイケル・ボルトン、ベット・ミドラー、マイケル・ブーブレ ft. シャナイア・トゥエイン、メーガン・トレイナーなど、挙げればキリがありません。 中でも特筆すべきはビングにとって“クリスマスソングの王様”のライバルといえるフランク・シナトラで、彼による1944年ver.は Billboard で7位を記録していますが、1957年12月20日のクリスマス・テレビ特番『Happy Holidays With Bing And Frank』(記事最後の動画)で二人が共演する豪華な映像が残されています。
~ “意外な?”Story ~
The sun is shining, the grass is green, 太陽は輝き、草原は青々とし The orange and palm trees sway. オレンジとヤシの樹々が揺れる…
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