I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「すてきな Somebody」ホイットニー・ヒューストン

2021.03.12

category : Whitney Houston

Whitney Houston - I Wanna Dance with Somebody (Who Loves Me) (1987年)

ホイットニーの華やかな作品は、桜到来の“ キタ - ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚ - ッ!!”に重なる?

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): George Merrill, Shannon Rubicam /訳:Beat Wolf

時計が正時を告げ
陽が色褪せ始めても
憂うつを追い払う手立てを
見つけ出す時間はまだ十分ある
今までずっと、万事上手くやってきた
それこそが手立てを示す陽の光
夜になり
孤独が声を上げるとき

[Chorus] x2
あぁ…誰かと踊りたい
誰かと共に熱を感じたい
そう…誰かと踊りたい
私を愛してくれる誰かと

恋して自分を見失い
街を駆け回ってきたけれど
遅かれ早かれ、熱病は終わり
やがて気も沈む
私には、共に賭けてくれる人が必要
最期まで熱く燃え続ける愛に
夜になり
孤独な心が声を上げるとき

[Chorus] x2

[Bridge]
誰か…
私を愛してくれる誰か
Yeah
誰か…
その腕の中に抱きしめてくれる誰か
私には、共に賭けてくれる人が必要
最期まで熱く燃え続ける愛に
夜になり
孤独な心が声を上げるとき

[Chorus] x2
[Outro]




~ 概要 ~

「すてきな Somebody」は、1987年6月に発売されたホイットニー・ヒューストンの2ndアルバム『ホイットニーII〜すてきなSomebody(原題;Whitney)』からの先行シングルです。
5月2日にリリースされると5月16日付け38位という高い位置で初登場、6週目の6月27日に4曲連続となる Billboard Hot 100 のNo.1(2週間/年間4位/All-time 264位)に輝いたほか、同日アルバム『Whitney』も Billboard 200 で初登場No.1を獲得しており、“Billboard 200の初登場No.1は女性アーティスト史上初”の快挙でした。
本曲は国際的にも14カ国でNo.1に輝き、全世界で420万枚を売り上げており、ホイットニーが亡くなった2012年(~13年)にも世界16カ国でチャート・イン、Hot 100 でも25位を記録しています(「I Will Always Love You」(過去ログ)も7位)。

作詞/作曲は Hot 100 でNo.1に輝いた「恋は手さぐり(How Will I Know)」に続いて、ジョージ・メリル&シャノン・ルビカム(…というよりボーイ・ミーツ・ガール(Boy Meets Girl)の二人、と言った方がわかるでしょう)。
タイトルに“Dance”とあるようにダンス・ナンバーで、プロデューサーはジェフ・ベックの『Wired』などの名演で知られたセッション・ドラマーのナラダ・マイケル・ウォルデン(Narada Michael Walden)。
彼は「How Will I Know」のプロデューサーでもあり、本曲では一世を風靡したリズムマシン・ローランドTR-808のを使用し80年代らしいサウンドに仕上げられています。
かなり色彩豊かなポップ・テイストのため、個性を期待した辛口の批評家には“How Will I Know II”と評されたものの、1988年の『アメリカン・ミュージック・アワード』ではジャネット・ジャクソン、マドンナを退けて“Favorite Pop/Rock Female Artist”『グラミー賞』ではベリンダ・カーライル、バーブラ・ストライサンドを退けて“Best Pop Vocal Performance, Female”を受賞しました。

世界的大ヒットの陰には精力的なプロモーションの効果もあったようで、前年の『The Greatest Love World Tour』後半には発売前のアルバムから「Didn't We Almost Have It All」と共にステージで披露していました。
1988年6月11日、ホイットニーはウェンブリー・スタジアムで行われた『Nelson Mandela 70th Birthday Tribute』に参加、本曲をパフォーマンスしています。
このコンサートは 南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)反対/ネルソン・マンデラ氏解放のためスティーヴィー・ワンダー やエリック・クラプトン、ダイアー・ストレイツ、スティング、ジョージ・マイケル、ユーリズミックスほか83アーティストと72,000人の聴衆が参加し、世界70か国/5億人が視聴したといわれるビッグ・イベントでした。


近年、『Love, サイモン 17歳の告白(Love, Simon)』『ロマンティックじゃない?(Isn't It Romantic?)』など本曲を使用した映画が増えており、2018年にはホイットニーのドキュメンタリー映画『ホイットニー ~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』予告編のイントロ曲としても使用されました。

しかし…本曲の“お楽しみ”は、これからです!
ホイットニーの伝記映画が2022年11月24日に全米公開されることが既に決定しており、そのタイトルこそ『I Wanna Dance with Somebody(原題)』だというのです。
脚本は『ボヘミアン・ラプソディ』のアンソニー・マッカーテン、詳細はまだ不明であるものの、昨年12月の時点で制作側はホイットニー役として『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』ジャナ役を演じた英女優ナオミ・アッキーに出演交渉を行っていると(決定とも)報じられています。


 
 



~ Story ~

ホイットニー2曲目のNo.1「How Will I Know」は、作者であるジョージ・メリルとシャノン・ルビカムにとってそれまでのキャリアの中で最大の出来事でした。
そんなある日、アリスタ・レコードのクライヴ・ディヴィス社長から、ホイットニーの2ndアルバムのため「How Will I Know」のようなアップ・テンポの楽曲の提供を再び依頼されます。
二人は後に自らがボーイ・ミーツ・ガールとして Billboard の年間12位(1989)の大ヒットを遂げることとなるロマンティックなポップ・ソング「Waiting for a Star to Fall」の提供を試みますがOKが出ず、別の曲を求められました。

そこで急遽2・3日の内に創作されたのが「すてきな Somebody」であり、ジョージが“シャノンのヴォーカルに釘付けになった”と表すほどの自信作でした。
ジョージはクライヴにデモ・テープを渡す際、こう申し伝えたといいます。

僕らにとって、これは最高のものです。もしあなたがホイットニーのために望まないなら、ご連絡ください。僕らはボーイ・ミーツ・ガールのアルバムを制作中で、アルバムのためにそれを望んでいます
「すてきな Somebody」はホイットニーに採用され、ボーイ・ミーツ・ガールのアルバムには未収録。このオリジナル・デモ音源は“ポップ/ロック調”で、1988年にレコード会社編集の企画盤『Number One With a Bullet』に収録された)


こうしてクライヴの了承は得たものの、「すてきな Somebody」を任されたプロデューサーのナラダ・マイケル・ウォルデンは困惑していました。
“オリビア・ニュートン=ジョンが歌ったロデオの歌を思い出した。オリビアは好きだけど、ホイットニーには合わない気がする…”
彼はもっとファンキーさが必要と思い、寝ても覚めても善処を思案したものの浮かばず、ホイットニーの予想以上のヴォーカルでよいレコードと気づいたそうです。

その後に開かれたアリスタ・レコードのパーティの席上で、クライヴ・ディヴィス社長は「すてきな Somebody」が『Whitney』からの1stシングルになることを発表、“この曲はきっとNo.1になる”と予言したといいます。


Boy Meets Girl - I Wanna Dance With Somebody (Who Loves Me)




~ Epilogue ~

And the sun begins to fade
陽が色褪せ始めても
Still enough time to figure out
憂うつを追い払う手立てを

華やかで楽しいダンス・サウンドとカラフルなPVに対し、歌詞は意外と情緒的な背景が含まれており、このためタイトルにわざわざ“(Who Loves Me)” を含めたそうです。
作者シャノン・ルビカムによると、“友達の多くが5時になるとそわそわし始める。‘私どうしたらいい?’‘今夜一人なんて耐えられない’‘本当はパーティなんか行きたくない。愛する誰かを見つけたい’って。つまり多くが望んでるのは長期的なパートナーシップ


Yeah! I wanna dance with somebody
そう…誰かと踊りたい
With somebody who loves me
私を愛してくれる誰かと

シャノンは語っています。
独身の誰かが特別な人を見つけたいと願っていることを描いたの。だから‘ディスコで踊りたい’じゃなくて‘人生を特別な誰かと踊りたい’という意味

PVは全般的にカラフルで楽しいですが、映像の始めと終わりはモノクロになっていて、主人公の心の奥に潜む“孤独”を表しているような気がします。
どんな観衆の喝采もそれを穴埋めできず、友人と歌い踊る時間はそれを忘れさせてくれるものの、一日の終わりにはそれぞれ個別の世界に戻ってゆく…
そういうストーリーが秘められていることを片隅にPVを見てみると、少し違ったイメージを抱かれるかもしれません。


3/15、広島、福岡、東京など統計史上最も早い開花発表となり、桜シーズンに突入しました。
昨年に引き続き、今年も新型コロナの流行と緊急事態宣言の動向に左右されそうな気配ですが、宣言の有無に関わらず私たちが心掛けるべきことは全く変わりません。

『移動や飲食を含め、ウイルスに感染しない・させない条件を保つこと』
(保てないなら回避する)

桜が目的なら、名所でなくても何処に咲く花も美しいはずです。
健気に生きようとする小さな生命に、たくさん元気を分けてもらいましょう ♪



「すてきな Somebody」

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 80's R&B ポップ ダンス グラミー  

コメント

ホイットニー・ヒューストンの伝記映画「オールウェイズ・ラヴ・ユー」を2年前の1月に観ました。ホイットニー・ヒューストン財団の全面協力により、初公開ホームビデオ映像や貴重なアーカイヴ映像や記録写真が多く使われ、数々の証言(親族・スタッフ、元夫のボビー・ブラウン、映画共演ケヴィン・コスナーらも登場)で彼女の苦悩や裏話が淡々と語られていました。 彼女の人生末期は痛ましいものではありましたが米国民の心を支えた偉大なる栄光のアーティストでした。天国でもまた素晴らしい歌声を聞かせてくれていることでしょう!

2021.03.12  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

伝記映画をご覧になっていたのですか。
近年ミュージックスターをテーマとした映画がブームになりましたね。
彼女は短い人生でしたが、歴史に名を残しました。
天国でもきっと人々を魅了していることでしょう。

2021.03.13  Beat Wolf  編集

こんにちは。

数年前ホイットニーの訃報を聞いた時には驚きました。人の命に軽重は無いのでしょうが、置かれている状況や仕事における責任感には大きな違いがあるのでしょうね。

2021.03.16  忠      編集

忠さん

そうですね。
浴びている光が鮮明なほど影が暗く見えるものですが、それを体感する当の本人は辛いでしょう。
高層ビルに住むと見晴らしが良いけれど、平屋の方が気楽かもしれませんね。

2021.03.16  Beat Wolf  編集

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2021.03.18    編集

Re: この曲大好きです!!

ホイットニーはバラードが得意ですが、コンサートはこういう盛り上がる曲は不可欠です。
彼女のポップで力強い表現力は元気が出ます。
スターになるべく生まれてきたような人ですが、私生活はそうではなかったようですね。
結婚時は互いに大スターでとても話題になりましたが…。(涙)

2021.03.18  Beat Wolf  編集

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