I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「恋のアドバイス」ビートルズ

2021.06.18

category : Beatles & Solo

The Beatles - You're Gonna Lose That Girl (1965年)

ジョン・レノンが“恋のキューピット”?でも彼のやり方は“スパルタ式”なのでそのお覚悟を!

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Lennon–McCartney /訳:Beat Wolf

[Chorus]
あの娘を失うよ(そうそう、失っちゃうよ)

今夜、デートに連れ出さないと
きっと彼女は心変わりする(心変わりしちゃうよ)
そしたら今夜、僕が彼女を連れ出し
やさしくもてなしてあげよう(やさしくしちゃうからね)

[Chorus]

ちゃんとやさしくしてあげないと
彼女が出てゆく破目になる(出て行っちゃうよ)
何故なら僕が彼女にやさしくして
君はひとりぼっちになる(男は君ひとりじゃないからね)

[Chorus]

[Bridge]
決めたんだ
敢えて君から彼女を奪うって
(自らの振る舞いを顧みてごらん)
Yeah
君の彼女の扱い方をさ
…それ以外、僕に何ができる?

(You're gonna lose that girl)
[Chorus]
[Bridge]

今夜、デートに連れ出さないと
きっと彼女は心変わりする(心変わりしちゃうよ)
そしたら今夜、僕が彼女を連れ出し
やさしくもてなしてあげよう(やさしくしちゃうからね)

[Chorus]
あの娘を失うよ(そうそう、失っちゃうよ)



~ 概要 ~

「恋のアドバイス 」は、1965年8月6日に発売されたビートルズ5枚目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ヘルプ!(Help!)』の収録曲です。
本曲はビートルズ第2作目の主演映画『ヘルプ!4人はアイドル(Help!)』にも使用された楽曲であり、アメリカでは劇中で使用されたビートルズの7曲とケン・ソーン のインストゥルメンタルを含む映画の純粋な同名サウンドトラック・アルバムにも収められています。
世界的に本曲はシングルとしてリリースされておらず、1965年11月15日に日本で「Tell Me What You See」とのカップリングで独自発売されました。

「恋のアドバイス 」の作者は“レノン=マッカートニー”、実質的にはジョン・レノンの作品と解されていますが、ポール・マッカートニーは公式伝記『Many Years from Now』の中で“L60-M40”と主張しています。
ファルセットを用いたジョンのリード・ヴォーカルとポール&ジョージ・ハリスンによる“掛け合いコーラス”が絶品で、同アルバムの「Help!」と双璧といえるビートルズを代表する魅力的なコーラスです。
本曲でコーラスに劣らない“名脇役”を演じているのがリンゴ・スターの“ボンゴ”で、もしこれら2つの要素を欠いたら随分印象の異なる作品となっていたでしょう。

当時の彼らの状況はというと、1964年は“ビートルズ旋風”で11月までツアーに追われ、12月にはアルバム『Beatles for Sale』を発表…という目まぐるしさでした。
明けて1965年1月16日のメロディー・メーカー 誌のインタビューで、ジョンは“次回作(映画)のために半分しか曲を書いていない”と答えており、これでどうやって残り1か月で映画に使用する楽曲を作詞・作曲・レコーディングまで漕ぎつけるというのでしょう…。
ところが、彼らは1月25日から僅か2週間ばかりの休暇中に作曲、2月15日から20日まで僅か5日間でレコーディングを終えると(「You're Going to Lose That Girl」は2月19日午後のみ)、2月23日からはアルプスやバハマなど世界を飛び回る映画の撮影に入っているのです。

一方ジョージはこのころ中期の作品を数々演じることになるソニック・ブルー(後にサイケデリック塗装)のフェンダー・ストラトキャスター“Rocky”を入手しており、本曲のギター・ソロで初めて使用しました。
しかし撮影に出掛ける前に録音したこのオリジナル・ギター・ソロについて、音楽学者ウォルター・エヴェレットもストリング・ゲージが重く“拷問のようだった”と評する内容で、リンゴのボンゴやポールのピアノと共に3月30日に録り直しされています。


 



~ Story ~

You're gonna lose that girl (Yes, yes, you're gonna lose that girl)
あの娘を失うよ(そうそう、失っちゃうよ)
You'll be the lonely one (You're not the only one)
君はひとりぼっちになる(男は君ひとりじゃないからね)

上は[Chorus]、下は[Verse 2]の歌詞を抜き出してみました。

作品は“I”が“you”に対し恋人“that girl”との関係をアドバイスし、それを後方から仲間(ポール&ジョージ)が囃し立てるように励ます形になっていて、邦題の「恋のアドバイス」は原題より気が利いています。
こうした作品概念は【モータウン・サウンド】を彷彿とさせ、特にビートルズもカバーしたドネイズの「Devil in His Heart」(過去ログ)やマーヴェレッツの「Please Mr. Postman」、あるいは有名なスプリームスの「恋はあせらず」(過去ログ)が浮かぶでしょう。

一方、実に巧みなのが下のラインです。
バック・コーラスはリードの歌詞をなぞるのが普通ですが、ここではバックで同じような字面を並べながら異なる意味を表しています。
この辺りのひねりの効いた言葉のセンスは、やはりジョンでしょうか…。


I'll make a point
決めたんだ
Of taking her away from you (Watch what you do)
敢えて君から彼女を奪うって(自らの振る舞いを顧みてごらん)
Yeah

メロディに乗る言葉のリズム感と、バック・コーラスとの絡みが絶妙です。
転調と共に告げられる“I”の決意には、思わずドキッとさせられます。
こういうドキッとさせる押しの強いフレーズが浮かぶのはポールではなく、やはりジョンでしょう。

“you”に敢えて強い危機感を抱かせることによって二人の仲を取り持つという、彼なりの親心ネ♪
あわよくば“彼女をいただいちゃおう”という、彼なりの邪心かも?



~ Epilogue ~

「恋のアドバイス」は、映画『ヘルプ!』に於いてスタジオでの演奏シーンに用いられました。
このシーンではポールとジョージがスタンド・マイクに向かい合って歌い、薄暗いスタジオに投影される光と影のコントラストが美しく、ファンにとってはビートルズの魅力が堪能できる素敵な映像となっています。

映画『ヘルプ!』は、邪教集団・カイリ党が生贄の儀式に用いる特別な指輪をリンゴが所有してしまったことにより、彼らに追い掛け回されるドタバタ劇です。
そのため彼らは地の果てまでもリンゴをつけ狙い、拉致して指輪を奪い取ろうと“あの手この手”を仕掛けてきますが、「恋のアドバイス」の演奏中にも彼らの“魔の手”は忍び寄っていました…
映像でご覧のようにスタジオにはたくさんの人々がおり、この状況でリンゴを拉致するのは不可能のように思えるものの、彼らはその大胆不敵で思いもよらない手口により、この数十秒後にリンゴを一瞬でこの部屋から連れ出してしまうのです!

果たして、その“手口”とは? 



「恋のアドバイス」

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
関連記事
スポンサーサイト



tags : 1965年 ロック 楽しい愛 コーラス ヘルプ! 

コメント

ビートルズにこんな曲があったんですね。まぁ~普通の男女の出来事でしょうか?

僕は昔出会った女性がすでに彼氏がいてどうしようもありませんでした。たかだか10代の頃でした。
「一晩の愛」はありませんでしたが「永遠の愛」にはなりそうです。愛とはそういうものかもしれません。それは愛ではなく単なる思い出かもしれませんが?!

2021.06.26  忠      編集

忠さん

若い頃ってそういうもので、「甘酸っぱい思い出」は上書きしない方が吉な気がします。
大抵の人は10代の頃が最も外見が美しく心も純粋で、それから何十年も経て「思い出」以上の魅力を身につけている人は滅多にないでしょう。
だからそういう思い出のある人ほど年を取って再会しない方が吉と思います。
せっかくの「永遠の愛」を失わないために?(笑)

2021.06.27  Beat Wolf  編集

昨年公開されるビートルズの解散50周年映画「GET BACK」はコロナで延期になりましたが、今年9月初めころになりそうですね。今日から7月!憂鬱な雨でのスタートとなりましたが今月もよろしお付き合お願いいいたします。今月はもう五輪開催なんですね。安心無事に終えられるよう祈るばかりです。

2021.07.01  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

GET BACKは楽しみである反面、微妙です。
なぜディズニーがドキュメンタリー映画を制作するのか…
ボヘミアン・ラプソディ的なエンタメ映画ならともかく、ファンが知りたいのは本当のことだと思います。

2021.07.01  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず音楽が大好き♪


参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.