Carpenters - Top Of The World (1973年)Summary 「トップ・オブ・ザ・ワールド」はカーペンターズの中でも屈指の有名曲ですが、元々は1972年6月に発売された4thアルバム『ア・ソング・フォー・ユー(A Song for You)』の収録曲でした。
このバージョンは現在よく耳にするものに比べギターがよりカントリー・タッチかつコーラスもシンプルで、リチャード・カーペンター自身当初シングル的価値があると認識してはいませんでした。
ところが当時日本ではアルバムの邦題も『トップ・オブ・ザ・ワールド』とタイトルされるほど人気曲で、1972年11月にシングルがリリースされると11万枚を売り上げる大ヒットを記録しています。
次いで翌年にアメリカではカントリー歌手リン・アンダーソンがカバーし、Billboardのカントリー・チャートで2位(Cash Boxカントリー・チャートではNo.1)と、これまた大ヒットとなったのです!
これに加えコンサートでの「トップ・オブ・ザ・ワールド」への観衆の反応から、リチャードはこの曲をシングル化すべきとの確信を得ました。
しかし所属レーベルA&Mには、アルバム『A Song for You』から既に4枚ものシングルをリリースしていることを理由に反対されています。
これに対し、実はアルバムのバージョンに密かに物足りなさを抱いていたリチャードはこの機会にアレンジし直したセルフカバーを希望し、11月に発売される初のベスト盤『The Singles: 1969-1973』の先行シングルとして収録することで合意を取り付けています。
こうしてリニューアルされた「トップ・オブ・ザ・ワールド」は1973年9月にシングルカットされ、同年12月にはメインであるBillboard Hot 100で見事2週連続No.1を獲得、カーペンターズにとって2曲目の栄誉を果たすこととなるのです。
Music 楽曲はリチャードによる作品で、この流れるように自然なメロディー・ラインの心地よさを私は“世界一”と思っています。
英語は隣接する単語をブレンドして(You got itを”ユガリ”的に)発音する特性から音楽への親和性が元々高い言語ですが、リチャードが紡ぎ出すラインの美しさは別次元!
それに加え類まれなる妹カレン・カーペンターの歌声もこれに劣らず素晴らしく、これまで多くの歌手がこの曲をカバーしていますがカレンを超えることは、未来永劫叶わないでしょう…。
Lyrics 歌詞は「イエスタデイ・ワンス・モア」ほか、リチャードとのコンビで数多くの作品を手掛けたジョン・ベティスです。
ジョンによると、この詞は全米No.1グループとなった当時のリチャードとカレンの気分を喩えたもので、プライベート・ジェットで飛び回るカーペンターズに彼が同行した際浮かんだアイデアなのだとか…。
初めて自家用機に乗った彼が、空高く上昇してゆく飛行機のあまりの心地よさに“僕らは世界の頂点にいるみたいだね!”と、カーペンターズの二人と話したエピソードが素になっています。
実際作業に入ると、リチャードとジョンはたった1日で作品を書き上げてしまったというから驚きです!
ジョンはこの頃の気分を“当時みんな忙しかったけどスターになりたての頃は、まさに最高の気分だった…。”と、後に振り返っています。
飛行機で舞い上がる最高の気分を“愛に満たされた女性の幸福感”に喩えた「トップ・オブ・ザ・ワールド」ですが、1:45辺りからの“There is only one wish on my mind”で始まるフレーズ…
私の願いは一つだけ 今日という日が過ぎ去っても、また巡り来る 明日という日、二人に変わらぬ一日が訪れること あなたが傍にいてくれるだけで… …という部分が、私は大好きです。
仏教に“諸行無常”の言葉があるように、人生に於いて今日という日が幸せであったとしても明日もそれが保障される理(ことわり)はありません。
だからこそ今日の幸せに感謝し、新たな一日を大切にしたいという気持ち…
それこそが、“Top Of The World”へと導いてくれる秘訣なのかもしれません。
「トップ・オブ・ザ・ワールド」 VIDEO Writer(s):Richard Carpenter,John Bettis /訳:Beat Wolf こんな素敵な気持ち 生まれて初めての驚きよ 空には雲一つなく お陽さまが微笑みかけてくれる まるで、夢の中にいるみたい 私の望むもの全てが 今、まさに叶おうとしている 何故って… それは、ここにあなたがいてくれるお陰 あなたこそが、私にとって至上の天国だもの… この世の頂から下界を見下ろし 気づいた唯ひとつの答え… それは、あなたと出逢い芽生えた愛のせい それこそが、私を頂へと舞い上がらせてくれるの… そよぐ風は私の名を呼び “全ては変わったよ”って、ささやくの 木の葉や、肌を撫でるそよ風さえも 幸せな喜びを届けてくれるよう… 私の願いは一つだけ 今日という日が過ぎ去っても、また巡り来る 明日という日、二人に変わらぬ一日が訪れること あなたが傍にいてくれるだけで… この世の頂から下界を見下ろし 気づいた唯ひとつの答え… それは、あなたと出逢い芽生えた愛のせい それこそが、私を頂へと舞い上がらせてくれる… この世の頂から下界を見下ろし 気づいた唯ひとつの答え… それは、あなたと出逢い芽生えた愛のせい それこそが、私を頂へと舞い上がらせてくれるの…最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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1973年 カントリー/ポップ 心地よい
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