I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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Lil Dicky - Earth1
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「ザ・パウンド・イズ・シンキング」ポール・マッカートニー

2022.05.09

category : Beatles & Solo

Paul McCartney - The Pound Is Sinking (1982年)

小品ながらビートルズ+ポールらしさが凝縮された佳曲。こういう曲を創れるとき彼は絶好調です!

《すべての記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Paul McCartney /訳:Beat Wolf


ポンドが沈んでゆく
ペソも下落
リラは動揺し
すっかり気分は色を失っている

マルクは持ちこたえている
フランは色褪せ
ドラクマもとても弱い
それでもまだ誰もが取引している

**
マーケットの底は
すっかり抜け落ち
生き残るのは強者だけ

僕は恐れている
極めて明らかなことを
あなたは木々を
森として見ることができない
あなたの父親は
並外れた人だったけれど
あなたは受け継いでいないらしい
そのお家芸の多くを

あぁ…型にはまった手法の何れかも

ドルは動いている
ルーブルは上がり
円は上げ続けている
それは驚くべきことでもない

**

愛する人へ…
いま僕は責任を果たせない
起こらなかった何かについて
すこしの間、僕は君を知っていた
あぁ…それは起こらなかった
ほんのすこしの間だけ
もう君の心はその中にいなかった





~ 概要 ~

「ザ・パウンド・イズ・シンキング」は、ポール・マッカートニー1982年の3rdソロ・アルバム『タッグ・オブ・ウォー(Tug of War)』の収録曲です。
同アルバムからはBillboard Hot 100で6週No.1を獲得したスティーヴィー・ワンダーとのデュオ曲「エボニー・アンド・アイボリー」(過去ログ)をはじめ3曲のシングルがリリースされましたが、本曲のカットはありません。

同アルバムは Billboard 200 の3週No.1、全世界で400万枚以上を売り上げたポールのソロとして最も成功を収めたアルバムであったのに対し、レコーディングはハプニングの連続でした。
1980年10月に“ウイングスの新作として”リハーサルが行われ、11月末にレコーディングが始動したものの同年12月にビートルズの盟友“ジョン・レノンが暗殺”される大事件が発生、ポールのショックによる中断からレコーディングが再開されると81年4月に今度はウイングスの盟友“デニー・レインがバンドを脱退し解散”、以後ポールのソロ・プロジェクトとして再構築を余儀なくされています。

「The Pound Is Sinking」のレコーディングは1981年2月にジョージ・マーティンが運営するカリブ海・モントセラト島の『AIR Studios』で行われ、デニー・レインがアコースティック・ギターを演じています。
ポールはリード/バッキング・ヴォーカル、アコースティック/エレキ・ギター、シンセサイザー、ドラムスとマルチプレイヤーぶりを発揮していますが、ここでは“代名詞”であるベースを演奏していません。
ベースをプレイしているのは、ポールお気に入りの名ベーシスト(ローリング・ストーン誌・史上最高のベーシスト13位)のスタンリー・クラークで、彼は同アルバムの「Somebody Who Cares」も演じています(これもいつか特集したい美しい曲!)。

加えて本アルバムではビートルズ解散後初めて、“ビートルズ・サウンドを彩った黄金コンビ”であるプロデューサーのジョージ・マーティンとミキシング・エンジニアのジェフ・エメリックが起用されました(マーティンは「007 死ぬのは奴らだ」、エメリックは『バンド・オン・ザ・ラン』をそれぞれ別個に担当したことはある)。
ウイングス時代はポールがプロデューサーを務めライブでの再現性を重視したサウンド創りが為されていましたが、「The Pound Is Sinking」では“コインが落ちて転がる効果音”などライブ再現を想定しないであろう彩りが添えられています。
この時期のレコーディング(Tug of War/Pipes of Peace)は、ビートルズ解散後のポールの作品の中でも“楽曲が最も粒揃い”と言える一方、これらの作品群はその後のポールのコンサートで殆ど演奏されず多くの佳曲が時代の経過の中に埋もれていることは、これらが大好きな私にとって寂しい限りです。

ここでは『Tug of War』からもう一曲、「Ballroom Dancing」をお聴きください。


 



~ Story ~

Your father was an extraordinary man
あなたの父親は並外れた人だった
But you don't seem to have inherited many of his mannerisms
でも、あなたは受け継いでいないらしい…そのお家芸の多くを

「The Pound Is Sinking」というテーマの中でこのフレーズは、“誰かへの皮肉”が込められているようにも思えます。

一方【Your father...】について、ポールは“誰のことでもない”と言っています。
(歌詞を創る時)僕は映画をイメージして時々意味のない言葉を混ぜるんだ。この作品で主人公が「ポンドが沈んでいる」と言いながら「あなたの父親は~」なんて、それ以外のことを言い出す。これはただの言葉の羅列で、人々がいつもしているような話なんだけど、それが面白い(要約編集)”

これはジョンも使う“テクニック”であり、わざと本筋と異なる意味深なフレーズを挿入することによって“ポールが言うのだから何か特別な意味があるに違いない”と受け手の妄想を膨らませ、作品に深みを与えます。
ただしこれれらを“テクニック”として入れる場合、普通そこには“作者の意図する方向への誘導”が仕掛けられているはずですが…。


Hear me lover, I can't be held responsible now
愛する人へ…いま僕は責任を果たせない
For something that didn't happen
起こらなかった何かについて

寧ろ本筋からすると、こっちの方が意味不明でしょう。
ただしこちらの“出自”は明確であり、元々は「The Pound Is Sinking」と別個の「Something That Didn't Happen」という作品です。
こちらもビートルズ時代からポールが駆使してきた“テクニック”であり、【レノン=マッカートニー】や最高傑作のひとつと評される『アビイ・ロード』のメドレー曲(過去ログ)、ウイングスの「バンド・オン・ザ・ラン」ほか、こうした小品の組み合わせにより数々の名曲が生まれてきました。

またここからは私の想像ですが、その歌詞はイギリスの女優ジェーン・アッシャーとの関係を思い起こさせます。
二人はビートルズ時代に数年間交際し“婚約”までしたものの、その“責任”は果されませんでした…。


Something That Didn’t Happen (Demo / Remastered 2015)


The pound is sinking
ポンドが沈んでゆく
The peso's falling
ペソも下落

ポールが「The Pound Is Sinking」を作曲したのは1977年と言われ、2015年の『タッグ・オブ・ウォー([スーパー・デラックス・エディション)』で当時のデモ音源が公開されました。

本曲にはイギリス連邦諸国の【ポンド】(pound sterling)やメキシコなどの【ペソ】、イタリア(現在はトルコ)などの【リラ】、そして日本の【円】ほか当時の通貨が多数挙げられています。
『ポンド/円(GBP/JPY) 1977年』の月間平均レートを見ると、1977年1月→12月で[1ポンド=498.4→446.98円]と“年間を通して右肩下がりのポンド安・円高の相場”(1-11月は下落/12月は上昇)であるのに対し、『ポンド/ドル(GBP/USD)1977年』は1月→12月で[1ポンド=1.7124→1.8546ドル]と“年間を通して英ポンド高・米ドル安の相場”です。

ただしそれは旧態依然を刷新できない政治やオイルショック(1973〜74年)に伴うイギリスの経済・生産性・財政の著しい悪化や『イギリスのEEC離脱を問う国民投票』(1975年)などによりポンドが売られ、1975年3月から1976年9月に1ポンド=2.4ドル→1.6ドルまで大きく下落、それを嫌って実施した“為替介入”による英ポンド高・米ドル安でした。

Paul McCartney - The Pound Is Sinking
ファイナンシャルスター

上のグラフは1971年3月~2022年1月の『円/ポンド為替レート』(左)と『ドル/ポンド為替レート』(右)です。
英ポンドは1944年以前まで基軸通貨でしたが、第2次世界大戦後その地位を米ドルに奪われ、1973年に主要通貨の多くが完全変動相場制へ移行、『ポンド/ドル』は上げ下げはあるものの1973→2021年12月で1ポンド=2.6→1.3ドル(最安は1985年の1.05ドル)と、1/2まで下落しています。
『円/ポンド』に至っては大きな戻しもなく見事な右肩下がりで、1971→2021年で1ポンド=864円→150円台(最安は2011年の119円)と、1/5以下まで大きく下落しています。

為替レートは常に変動するものであり、時々の上げ下げに一喜一憂するべきではありませんが、長年に亘る右肩下がりの『通貨安』は沈み続けるイギリスの国際的地位を象徴しています。
市場価格は需要と供給によって形成され、投資家はより利益の望める方に投資するため、その裏付けとなる成長率・発展性が期待できる方が買われて値上がりし、成長率・発展性の乏しい方は売られて値下がりするのが道理です(“どこか”のように為替操作している国もありますが)。
『為替変動』は上下どちらに動いても“誰かが得をし誰かが損をする仕組み”ですが、1ポンド=2.6→1.3ドルという『通貨安』は“以前は1ポンドで2.6ドル分買えたのに、今は1.3ドル分しか買えなくなった”ということであり、“ポンドを保有するイギリス国民の資産がドルに対して半減した”という意味です(値上がりしたドルを保有する人は2倍のポンドを得られるが、その恩恵に与れるのは…?)

「The Pound Is Sinking」の音色は、そんなイギリス国民の悲しみを抱かせます。


The Pound Is Sinking (Demo / Remastered 2015)





~ 『円安誘導政策』は民のささやかな暮らしを奪い、国を貧しくさせる“亡国誘導政策” ~

「安心して日本に投資をしてほしい。Invest in Kishia(岸田に投資を)です」



5/5、岸田首相はロンドンの金融街・シティで講演し、「成長を続け、しかも安定している日本市場、安全・安心な日本企業・製品・サービスは買いだ」と、海外の投資家に日本への投資を呼びかけました。
確かに「成長を続け」ている投資先は「買い」ですが、権力者の“詭弁”が常態的に黙認される日本国内で通用しても、マネー市場を知り尽くした世界のプロ投資家は騙せません
それを裏付けるかのように、“呼びかけ”前5/2の日経平均株価が[26,818円]だったのに対し、5/19現在の株価も[26,435円]と停滞したままです。
投資先のライバル国との『経済成長率』を比較してみても、2021年は[英7.44%・仏6.98・米5.68・独2.79・日1.62]と日本は5か国中最下位直近5年間の日本の成長率も[1.68・0.58・-0.24・-4.50・1.62]と最下位が4年で、「成長を続け安定している」はあまりに“誇張が過ぎる”でしょう。
(子供騙しの嘘が日本の信用を更に貶めることを自覚できない人間が首相に就けてしまう国の未来…)

Paul McCartney - The Pound Is Sinking1
経済成長率の推移(1980~2022年)


米FRB、22年ぶりの大幅利上げ 物価上昇に対抗

一方、アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は今年3/16、新型コロナの世界的蔓延による物資の供給不足や、資源エネルギー・穀物供給国であるロシアとウクライナに発生した戦争及び世界規模の経済制裁とその報復、様々な要因が重なったことによる「第2次石油ショック以来最悪のインフレ」に対し、『断固たる物価上昇抑止の意思』を示し、即座に実行に移しました(5月の大幅利上げはその2回目で、今年中に計7回利上げを行い政策金利を2.25~2.5%にすると想定されている)。
すなわち、FRBはこれまでコロナ対策として続けていた「量的緩和策」(市場に大量の資金を供給して景気浮揚を図る)と「ゼロ金利政策」(政策金利をゼロにして消費を促す)を解除し、これらを引き締める(量的引き締め/利上げ)政策を継続的に行うということです。
「資金は金利の低いところから高いところへ流れる」のが基本であり、アメリカが利上げを実施するということは「ドル建て資産に対する需要が拡大」し、自国通貨を売ってドルを買う『ドル高』圧力が強まる(=自国通貨安になるとインフレが悪化)ため、世界各国の中央銀行もアメリカの利上げに対応すべく競って金利の引き上げに乗り出す動きとなっています。


「円安はむしろ日本経済にプラス」 3/18 日銀・黒田総裁
安倍元首相“円安は日本経済にプラス” 3/25

2021年の秋以降ドル/円レートは1ドル113~115円程度で推移していましたが、こうした日銀・自民党重鎮らの“ご意向”が今年3月初め以降の「円の独歩安」と4/28の「1ドル131円」の大きな原因です。
3/18に日本銀行が金融政策決定会合で「消費者物価指数の実績値が安定的に2%を超えるまで金融緩和継続(=円安是認)」を決定したため、投資家は安心して金利の安い円を売り金利の高いドルを買い、「異常な円安が加速」しました。
(5/6に総務省が発表した4月の東京都区部の消費者物価指数“見事に寸止めの1.9%!”
アメリカは今年さらに5回の利上げを予定しており、日銀・自民党の“ご意向”が変わらない限り「今後更に円安(=物価上昇)が進行する」と想定されます(恐らく「参院選」までは国内物価を抑制し、その後「価格に転嫁」させてくるだろう)。

こうした円安は、ドルを大量に保有し国外でドル決済する「一部の輸出大企業にとっては大儲け」ですが、国内で物価高の負担を加算される「輸入・中小企業・一般国民にとっては大損」となります。
「円安=円の対外的な購買力の低下」であり、異なる物価など調整し諸通貨の相対的な実力を測るための指標『実効為替レート』(数値が大きいほど通貨の価値が高い)によると、「2022年1月の円の実質実効為替レートは67.55」で1972年6月(67.49)以来、約50年ぶりの低水準です。

これを同年同月の主要国と比較(グラフを読んでいるため概数)してみると「中国が約130」、「アメリカ120」、「ユーロ圏90」でした。
ちなみに日本が最も高かったのは「1995年の150台」で現在の中国より強く、当時(1998)はガソリン92円/ℓ、灯油756円/18ℓで購入できたのです(為替だけが値上がりの要因ではありませんが)。


円が強かった時代、日本はロックフェラーセンター・ビルやエンパイア・ステート・ビルを買収し、日本の土地の時価総額で「アメリカが四つ買える」とまで囁かれたものですが、円が弱くなった現代日産やシャープ、ソニー、オリックス、中外製薬ほか多数の企業が外国人の手に渡って(外国人比率が50%超/2016年現在)しまいました。
何より『日本政府及び日銀による円安誘導政策』は、消費増税以上の家計負担をもたらし、民のささやかな暮らしを奪い、国を貧しくさせる“亡国誘導策”でしかありません。

では何故、日本政府及び日銀が世界の流れに反してまでそのような悪策を続けるのか、次項のテーマとすることにします。
(編集が遅れているため、次回更新までお待ちください…)


<大企業ばかりが大儲け>【山田厚史の週ナカ生ニュース】




~ 「どれだけ借金しても札を無制限に刷れば問題ない」が、経済・精神の衰退した日本を象徴 ~

Paul McCartney - The Pound Is Sinking2
『世界経済のネタ帳』日本の政府総債務残高(対GDP比)の推移(1980~2022年)

日本政府が「金融緩和策(ゼロ金利政策・円安誘導政策)」を止められない核心的な理由は、コレでしょう。

財務省によると2021年度末までの国の長期債務残高は1019兆円(地方を合わせると1212兆円)で、金利を上げると1%で年10兆円/2%なら20兆円の利払いが現在の国債費(約24兆円)に上乗せされることとなり、国債価格も下落アベノミクスにより国債保有額を113兆円→537兆円と“異次元”に膨らませた日銀(自己資本残高は9.5兆円)の損失が“債務超過”に陥る懸念があります。
さらに金利の上昇は株価を下落させ、アベノミクスで1.4→34兆円に膨らんだ日銀(ETF)や199兆円もの国民の年金(GPIF)の株式買入による損失が“異次元”となって、国家運営・金融・経済を揺るがす事態を引き起こすかもしれません。

2021年までの『世界の政府債務残高対GDP比 国別ランキング』によると、「日本は対GDP比263%の債務残高・世界ワースト2位」で、1位は2018年12月に「インフレ率169万%で経済破綻」したベネズエラ(GDP比306%)、「政府による統計不正で経済危機」に陥った3位ギリシャ(GDP比198%)が名を連ねており、私たちは国民一人ひとりのレベルで自国がそうした“領域”にあることを自覚すべきですが、長年・金融緩和策により莫大な債務を増やした最高責任者は…。

「日本銀行は政府の子会社」 安倍晋三元首相 2022年5月
「輪転機をぐるぐる回して、日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」安倍晋三自民党総裁  2012年11月

これは『現代貨幣理論(MMT)』と言って「自国建て通貨を発行する国は際限なく国債を発行できるため、どれだけ借金をしても財政破綻は起きない」という論法で、安倍氏周辺や“御用学者”らが喧伝してきた言説です。
確かに日本銀行は他者が行えば“犯罪”となる「日本銀行券(円)の発行を独占的に許された存在であり、「紙切れに『壱萬円』と印刷」するだけでたとえ一千兆円の借金であろうと、たちまち“チャラ”にできるでしょう。
しかしそれが許されるなら国民は納税する必要も、生活費のために労働する必要も、借金する必要も無く、日銀の“錬金術”により誰もが安楽に暮らしてゆけることになります。
一方で人々が努力をしなくなり、社会は衰退する…)

この言説に決定的に欠如しているのが、「為政者の悪政(膨大な債務)をチャラ」にするために引き起こされる「円の暴落」「ハイパーインフレ」による金融市場・実体経済・国民生活の破壊的被害に対する当事者としての責任の自覚」です。


そして、今も繰り返される政府の悪行
「コロナ予備費12兆円、使途9割(11.5兆円)追えず」 2022年4月22日 日経新聞

政府が何故『ウイズ・コロナ』でなければならないか、わかるでしょう。
密かに“連携協定”を結んだメディアは連日『4630万円男』をやり玉に挙げていますが、遥かに罪の重い『1150000000万円詐欺容疑政府』について殆ど報じもしません。
これこそが、「努力をせず、“錬金術”でお金を手に入れ衰退した人々」であり、「今の日本の本当の姿」です。

※下の動画は今年年初のもので、ウクライナ戦争の要素は入っていませんが、金子教授の分析・“予言”が現在起きている事象のウラ事情を詳しく教えてくれます。


不況下の物価高騰2%超目前  露呈する政策破綻【金子勝の言いたい放題】




~ Epilogue ~

Paul McCartney - The Pound Is Sinking

このグラフをご覧ください。

これは【A社】と【B社】の『株価の推移』ですが、あなたが投資家(お金を増やす職業)なら、どちらの会社に投資しますか?
投資は株価だけで決めるものでもありませんが、もう少し判断基準となるデータを提供しましょう。
【A社】は2000-2022年の22年間で株価が886円→2033円(約2.3倍)となり、2022年現在の時価総額は2807.5億ドル(世界31位)です。
【B社】は2010-2022年の12年間に株価が3.84ドル→752.91ドル(約196倍)となり、2022年現在の時価総額は10310.6億ドル(世界6位)です。

どちらも巨大な企業ですが、単純に株を買って“儲かる”を基準とするなら迷わず“12年で約196倍”の【B社】でしょう。
ちなみに【A社】は日本の自動車企業『トヨタ』で、【B社】はアメリカの電気自動車企業『テスラ(Tesla)』です。


次は、『ある国の株式市場の平均株価』です。
【A国】は1989-2022年の間に、株価が38,915円→26,847円(約0.69倍)となりました。
【B国】は1989-2022年の間に、株価が2,753ドル→32,977ドル(約12倍)となりました。

もちろん【A国】は日本(日経)【B国】はアメリカ(ダウ)です。
どちらに投資すれば儲かるかは、言うまでもないでしょう。


1989年(平成元年)時点の『世界時価総額ランキング』をみると、上位50社のうち1位の日本電信電話(NTT)をはじめ32社の日本企業が占めていましたが、2022年31位のトヨタ1社のみ(トップ100もトヨタだけ)です。
日本では長年政策を指揮してきた自民党が「株価が1万を超えた、2万を超えた!」と“30年前の7割に過ぎない株価”を手柄のように自慢”している間に“アメリカの株価は12倍”となり、個別ランキングで見ても“2022年1位・アップルの時価総額2兆8281億ドル(約361兆円)は1989年の1位・NTTの1638億ドルの17倍”と世界は目覚ましい経済成長を遂げており、1989年2位の2倍以上のダントツだったNTTの1638億ドルという数字は2022年だと72位相当に過ぎません。

2022年のトップ50を見て感じるのは「アメリカ企業の強さ」で、上位5社アップル/マイクロソフト/サウジアラムコ/アルファベット(Google の持株会社)/アマゾンのうちアメリカ企業4社は何れも1989年時未設立/ランクインしていない企業であり、それ以外にもIT分野の定番 Adobe や NVIDIA(半導体)、ITを利用し新たなサービスを生み出した Meta(Facebook)や Visa(決済)/ Netflix(ストリーミング配信)、これから更に著しく成長を遂げるであろう電気自動車のテスラなど新興企業が新しい時代を牽引していることです。
一方で新型コロナ・ワクチンで存在感を示したファイザーをはじめ、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、P&Gやコカ・コーラ/ペプシコ、ウォルト・ディズニーなど“アメリカの歴史”のような古い企業もしっかり名を連ね脇を固めている所にアメリカという国の“本物の強さ”を感じます。


対照的に、かつてアメリカ人から『Japan as Number One』とまで称賛された日本が、バブル崩壊の後「失われた30年」と表されるまで衰退した最大の要因は、日本の政官財の「保守化(従来を維持)と虚飾」と考えます。
資本主義経済は市場競争で生き残るために成長し続けることを宿命づけられた概念であり、成長することに後ろ向きな人物が組織を指揮、成長できない従来維持を自賛し惨めな敗北を虚飾で誤魔化し続ければ、成長し続けるライバルに取り残されるのは必然でしょう。

かつての日本企業は「アメリカに追いつき追い越せ」と、西洋人とは異なる意外な発想と技術力で、さまざまな新しい概念(製品・サービス)を世界に送り出してきました。
しかしバブル崩壊後の日本は世界への挑戦を諦め、政治の力で「人件費を削減(非正規労働者の拡大など)」し「法人減税を国民に転嫁(消費増税)」、そして「ゼロ金利政策」と「円安誘導政策」により国民や下請けの富と報酬を“不当に搾取”することで表面的な安泰を保っているように見えます。
政治家と官僚は本来、こうした内向きな大企業経営者を奮起させ国民にその成果を示さなければならないはずですが、叱咤激励どころか寧ろ“御用聞き”となって彼らに利益誘導し献金・天下り先の確保に専心している有様です。
能力と責任ある立場にある者には試練を与え、内外のライバルと研鑽させて他者に負けない実力を身につけさせるべきですが日本の『身分制度』は「上に行くほど楽で無責任になる」仕組みであり、これでは部下に威張ることはできても、研鑽され勝ち上がってきた世界の強豪に敵うはずなどありません。

今の日本に必要なのは金利や弱者を相手にセコくカネを搾取することではなく、戦後この国の先人が幾度もの過酷な円高を乗り越え世界一を勝ち取ったように、逆流をものともしない本物の産業力、そして本物の国力を構築することです。


トヨタ、日産、ホンダ。円安に甘えた自動車産業に未来はあるのか?中国上海ロックダウンで日本のGDPは1ヶ月1000億円以上のダメージ。平田悠貴。一月万冊

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 1982年 AOR お金 郷愁 ポール・マッカートニー  

コメント

こんにちは。

一番最初というのはいつもイヤなんですよ。全くトンチンカンですので!
でも通貨にかこつけて自国を風刺するなんて素晴らしい!それにしてもマルクやフランはユーロになり、ポンドは復活、円やルーブルは彷徨っている。
確かに小品ですが、曲調は転調もポールらしいですし、ギターはジョージですか?ピッタリ合っています?笑)

2022.05.10  忠      編集

ポール・マッカートニーが傘寿を迎えるなんて信じられないですが、まだまだお元気!また久しぶりにツアーもやるらしいですね!よく考えれば自分も来年には再雇用も終わる65歳なので納得・・。50年前は平均寿命70歳くらいでしたが、今は85歳くらいですのでまだまだ皆さん若く生きていけると思います。今年はビートルズ結成60年、まだまだお互いに懐かしい曲を聴きながら健康に長生きしていきましょう!

2022.05.10  ローリングウエスト  編集

忠さん

通貨への評価はその国に対する世界市場の評価でもありますからね。
別段の愛国者でなくとも、下がり続ければ普通の人でも危機意識を持つでしょう。
この曲を聴いてポールらしいとわかる人はヒット曲以外にも彼の作品を知ってる人です。
演奏は後で書きますがギターはジョージではありません。
でも面白い組み合わせです。

2022.05.10  Beat Wolf  編集

ローリングウエストさん

本人も80でロックしてるなんて考えもしなかったでしょう。
ローリングウエストさんが来年に再雇用も終わられるのですね。
年金受給世代も働きたい人は働けて、引退したい人は年金で暮らせる社会であって欲しいです。

2022.05.10  Beat Wolf  編集

これもまた

プロテストソングのひとつなのかな。
木を見て森を見ず、はたまた森ばっかり見て木々が
視界に入らない...バランスよくいきたいですが、
なかなか難しいですよね。

2022.05.12  YOU NO IT NAME  編集

Re: これもまた

追記したようにポールは表面上そういう類ではないようなことを言っていますが、少なくとも悲しんでいるように感じます。
ことわざでは森を見ないことが悪いように言われますが、悪いのはまさにバランスよく見ないことですね。

2022.05.14  Beat Wolf  編集

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