「追憶の涙~ミッシング・ユー~」はダイアナ・ロス 1984年の15thアルバム『スウェプト・アウェイ(Swept Away)』 から同年11月13日にリリースされた3rdシングルで、Billboard Hot 100 の10位(1985年の年間49位)を記録しました。 (現在までのところ彼女にとって最後のR&B チャート No.1 & Hot 100 の Top10 シングル)
作者は、1981年にダイアナと「エンドレス・ラブ」で9週No.1の記録的大ヒットを遂げ、1983-84年も自身のアルバム『オール・ナイト・ロング(Can't Slow Down)』がNo.1、1985年にはマイケル・ジャクソンとの共作でUSAフォー・アフリカのチャリティー曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」を作曲した、当時最も勢いのあったソングライターの一人ライオネル・リッチーで、彼は本曲のプロデュース&バック・ヴォーカルにも参加しています。 本アルバムにはライオネルの他にも1980年の「アップサイド・ダウン」以来となるシック(Chic)ナイル・ロジャース「It's Your Move 」&バーナード・エドワーズ「Telephone」、ダリル・ホールがプロデュースした「Swept Away」、フリオ・イグレシアスが「All of You」でデュエット、ジェフ・ベックもギターで参加するなど、ゲストの顔ぶれが超豪華です。
まずはダイアナとはかなりタイプの異なる歌姫ホイットニー・ヒューストンで、1997年の『Classic Whitney: Live from Washington, D.C.』というコンサートでパフォーマンスしました。 彼女は本曲を“最近亡くなった有名人への追悼”として歌唱していますが、その有名人とは1996年9月に銃殺されたヒップホップMCの2パック(2Pac)、1997年3月9日に銃殺されたMC/ラッパーのノトーリアス・B.I.G.(The Notorious B.I.G.)、そして1997年8月に事故死したイギリスのダイアナ元妃らです。
そのうちの一人ノトーリアス・B.I.G.は、自身「Missing You」をフィーチャーした「Miss U」という曲を発表していますが、その曲を収録したアルバム『Life After Death』の発売は1997年3月25日…つまり彼が銃殺された直後のことであり、その非業な亡くなり方はジョン・レノンの事件を思い起こさせます。 また「Missing You」は後年ヒップホップで多数カバー/サンプリングされており、私のお気に入りはロサンゼルス/ベイエリアを拠点とする DJ スーパーグループ The Bangerz(バンガーズ)がミックスした「Missing You (The Bangerz remix) 」を、白い仮面のヒップホップダンスグループ Jabbawockeez(ジャバウォーキーズ)がパフォーマンスした動画です。
~ Story ~
Ooh-ooh-ooh-ooh, I'm missing you あぁ…あなたがいなくて淋(さむ)しい Tell me why the road turns 教えてほしい…なぜ道筋は変わってしまうのかを
【I miss you】は“(あなたがいなくて)さびしい”⇒“会いたい”を表す、ラブ・ソングの常套句です。 本作でも何らかの理由で【you】が【I】の元を離れて行ってしまい、【I】が【why the road turns】と悲しんでいる背景を想像するでしょう。
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