「ラヴ」は、ジョン・レノンが1970年12月11日に発表した 1st ソロ・アルバム『ジョンの魂 (John Lennon/Plastic Ono Band) 』の収録曲です。 当初ジョンは本曲をシングルとして検討していたものの実行には至っておらず(本アルバムから唯一のシングルは「マザー」)、彼の死後1982年11月1日 (UK)に発売されたベスト・アルバム『ジョン・レノン・コレクション(The John Lennon Collection)』 に収録された際、本曲のリミックス ver.(B面は「真実が欲しい」)が同年11月15日にプロモーションとしてシングル・カットされ、イギリスで41位/日本58位を記録しました。 ちなみに本シングルのジャケットに使用された写真は1980年12月8日、つまりジョンが暗殺された当日に撮影されたうちの一枚となとなっており、アルバムの写真と共に話題となりました。
作詞・作曲はジョン、プロデュースはジョンとオノ・ヨーコ、フィル・スペクターで、演奏はジョンのアコースティック・ギターとフィル・スペクターのピアノだけという、極めてシンプルな作品です。 本曲のシングル ver.がリミックスされたと先述しましたが、元々『ジョンの魂 』では Side 2-1 の「思い出すんだ(Remember)」が爆発音で終わるためか、続く2曲目の本曲は少し長めのフェードインで始まるイントロ、それに合わせたアウトロとなっており、シングル ver.はその部分が短縮されたものになっています。
本曲は1997年のベスト盤『Lennon Legend〜The Very Best of John Lennon』、1998年のボックス・セット『John Lennon Anthology』にも編集されていますが、1998年のドラマ『世紀末の詩』の主題歌に本曲が起用され、第13回日本ゴールドディスク大賞で【ソング・オブ・ザ・イヤー(洋楽部門)】を受賞しました。
カバーは1971年にアメリカの男性ポップス・ヴォーカル・トリオ、レターメン(The Lettermen)がオリジナルに忠実なアレンジのシングルを発表し Billboard Hot 100 で42位/日本19位と、好成績を収めました。 他にもオリジナルとは異なる世界観を表したバーブラ・ストイライサンドやドリーム・アカデミーもオススメです。
love is the child of freedom, never that of domination. 愛は自由の子であり、決して支配の子ではない
「Love」は、ドイツ生まれの精神分析学者エーリッヒ・フロム1956年の著作『愛するということ(The Art of Loving)』から着想を得ているかもしれません。 本書は愛の本質を分析した思想書であり、【Love is free】という一見矛盾する概念の真意を理解するために、もう一つ彼の言葉を引用してみましょう。
It is not until you love something not useful to you that your love blooms. 自分の役に立たないものを愛して初めて、愛は開花する
LOVE. (Ultimate Mix, 2020) - John Lennon/Plastic Ono Band
~ Epilogue ~
“In the sphere of material things giving means being rich. Not he who has much is rich, but he who gives much. The hoarder who is anxiously worried about losing something is, psychologically speaking, the poor, impoverished man, regardless of how much he has. Whoever is capable of giving of himself is rich”
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