~ Lyrics ~ Writer(s): Ben Findon, Mike Myers and Robert Puzey /訳:Beat Wolf 今ならわかる 何故あなたを疑い 手放してしまったのか もう私の傍にあなたはいない クールを気取って 空想ばかり… 愚かな私は 誘惑の魔手に堕ちた 泣いたって、あなたは振り返らない もうそれは何の役にも立たない あなたにサヨナラを告げられてから [Chorus] だからもう止めにして 踏ん切りをつけよう 自分を取り戻さなければ いま私は壊れてバラバラだけど 二人はもう元へは戻らない 今ここで立ち直らなければ 確信してた もう気に病んだりしない だから扉を閉めた 何故あなたは私にそうさせた 私は感情を求め 自制を失った 寒さの中 哀れな境遇でも 弱音を吐かないよう堪えている だけど、それは酷く痛む あなたが行ってしまってから [Chorus] [Bridge] Ah-hah, baby I want ya Ah-hah, baby I need ya [Pre-Chorus] 泣いたって、あなたは振り返らない もうそれは何の役にも立たない あなたにサヨナラを告げられてから [Chorus to fade]~ 概要 ~ ノーランズはアイルランド出身の姉妹で構成され、トータル・セールス3000万枚以上を記録したガール・グループです。
元々は移住先のイギリスで1963年に両親と息子2人・娘5人で結成した
【The Singing Nolans】が起源であり、1972年に同名のアルバムとシングル「Blackpool」
を発表しています(チャートインなし)。
1974年にはアン(1950年生まれ)、デニース(52年)、
モリーン (54年)、
リンダ (59年)、
バーニー (60年)の5人姉妹だけの
【ノーラン・シスターズ(The Nolan Sisters)】として生まれ変わり、同名アルバムとシングル「But I Do」
をリリースしましたが、この曲でリード・ヴォーカルを務めているのは1965年生まれ(当時9歳)で正式メンバーではない末妹
コリーン でした。
その後デニースがソロ活動のため脱退するもコリーンがサポートし、1979年に生まれたのがあの「ダンシング・シスター(I'm in the Mood for Dancing)」です。
初めての、しかも国際的ヒットを得た彼女らでしたが、翌1980年にはグループのリーダーで長女のアンが結婚により活動を休止してしまいます。
その穴を埋めたのが15歳に達し正式メンバーとなったコリーンで、グループ名を
【The Nolans】と改め発表したのが
アルバム『Making Waves』 でした。
同アルバムからの2ndシングル「Gotta Pull Myself Together」はイギリスで9位/アイルランド8位/オーストラリア3位/ニュージーランド2位、アルバムも前作を上回る全英11位を記録しています。
世界でとりわけノーランズ人気が高かったのが日本 で、シングル
「恋のハッピー・デート」はオリコン洋楽シングルチャートで1980年12月22日付から5週連続1位で30.2万枚 、『Making Waves』と一部収録曲の異なる『恋のハッピー・デート』もオリコン洋楽アルバムチャートで1980年12月8日付から通算10週1位で55万枚を売り上げました。
当時まだ洋楽を主体的に聴いていたわけでもない私が彼女らの顔と曲を知っていたことは、その影響力が洋楽ファンを超えて広く及んでいたことを示しています。
ノーランズの心地よいポップ・テイストは
日本のアイドル系やJ-POPと相性が良く有名曲が複数カバー されていますが、本曲も石野真子や西田ひかる、堀ちえみらにカバーされています。
また親しみ易いメロディーは
コマーシャル にも最適で、2003年頃のリクルート『ケイコとマナブ』CM(イズミカワソラのカバー)や2006年頃のサントリー『缶チューハイ・カロリ。』CM(GRAPEVINE)にも使用されました。
VIDEO VIDEO VIDEO VIDEO ~ Story ~ Now that we ain't makin' up 二人はもう元へは戻らない Just gotta pull myself together 今ここで立ち直らなければ 原題の
「Gotta Pull Myself Together」は“自分自身で立ち直らなければならない” 意味であるのに対し、邦題の「恋のハッピー・デート」はギャップがあり過ぎです。
一方、ノーランズと同年の11月21日に発売された
石野真子 の日本語カバー曲はまさに「恋のハッピー・デート」な歌詞となっており、ノーランズの邦題はこれに合わせたのかもしれません。
(wikiによると【訳詞:森雪之丞】となっているが、内容は“別物”)
VIDEO Ah-hah, baby I want ya Ah-hah, baby I need ya ブリッジの短いフレーズこそ、
主人公の本望 を表していると言えます…
恋愛は相互の合意によって成就し得るのであって、一方の願望だけでは成立しません。
本望を遂げられそうもない現実があるからこそ、主人公は「Gotta Pull Myself Together」と自分を励まそうとしているわけです。
歌の面白み は、歌詞という言葉で伝えたい“核心”を表すだけでなく、
メロディーやリズム、アレンジなど“幾つもの音によってメッセージを強調したり、逆に和らげたり、テイストを調節できる” ことです。
一方…
うらみますうらみます あんたのこと死ぬまで 歌詞の概念と同じ色彩の音を重ね、
失恋した女性の“怨念”を強調させた作品 の一つが、
中島みゆきの「うらみ・ます」 です(1980年のアルバム『生きていてもいいですか』収録)。
多くの人は失恋すると“新たな恋”へと移ろうものですが、彼女の言葉は“(幸福や新たな恋を求めず)あなたを死ぬまで恨み続ける”を抱かせ、同時に、その
鬼気迫る歌声やもの寂しげな曲調 は幽霊が化けて歌っているような恐怖を増幅させます。
この主人公に共感するかは別として、この場合、イメージを和らげるポップやメロディーを交えず“怨念”一色に徹底したからこそ、狂おしいほどの愛の強さを表現し得たといえるのでしょう。
ちなみに作詞した中島みゆき本人は本曲について、“なんだ、たかだか死ぬまでしか恨んでないんだぁ、その程度のこと? だったんですよ”との言葉を残しているそうです。
VIDEO ~ Epilogue ~ ノーランズのリンダ、がんが脳にまで広がるも「あきらめない」 「Gotta Pull Myself Together」を取り上げるきっかけは、ノーランズの四女リンダのガンが再発し、脳にまで転移しているというニュースでした。
ガンといえばノーラン姉妹の長女アンと五女バーニーも乳がんと診断され、バーニー(本曲でリード・ヴォーカル)は2013年に死去、彼女らの父も肝臓がんで亡くなっています。
リンダは2006年に乳がんと診断され2017年、2020年にも別の転移が判明するなど長年に亘る闘病 で、“すごく怖い。いまのところ放射線治療以外、脳のがんに有用なものはないからそうするつもり。私はあきらめない。前向きよ”と気丈なメッセージを発しています。
VIDEO Exclusive: Singer Linda Nolan's Cancer Has Spread To Her Brain | Good Morning Britain 遺伝的がんリスク体質の人は若くしてがんになりやすい 『がんの発症』には「加齢、喫煙、飲酒、危険な食物、化学物質、感染、放射線」など様々な【環境因子】が関与 することが知られていますが、各個人の【遺伝因子】、すなわち【遺伝的がんリスク体質】も重要だそうです。
この研究報告によると
「遺伝的がんリスク体質を持つ人は、がんになりやすいだけでなく、若い年齢でがんを発症する傾向」 があるそうで、まさにノーラン姉妹の家系には多くのがんが見られ比較的若年から発症しています。
前回『追悼・坂本龍一』の編集に際し接した記事で私が気になったのは、
「すべてのがんの約4.4%はエックス線検査が原因 / CT検査を複数回受けることでがんになる確率が最大12%増加する」 との研究報告があり、想像以上にエックス線検査が発がん要因となるリスクが高いことでした。
“放射能という強い毒”を用いなければ病気を発見することも、“ガンという強い毒”を制することができないなら、
日ごろ上の【環境因子】に該当する“毒”を回避する生活習慣を身につけることが最善 です。
何年にも亘って苦しい思いをし、何回も体を切り刻まれるなんてイヤですから…。
リンダをはじめ今このとき苦しい病と闘っているすべての方、共に闘っておられるご家族にこの歌を捧げます。
The Nolans - Gotta Pull Myself Together VIDEO 最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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