~ "99 Red Balloons" Lyrics ~ Writer(s): Jörn-Uwe Fahrenkrog-Petersen, Carlo Karges(German lyrics), Kevin McAlea (English lyrics) /訳:Beat Wolf [Intro] あなたと私は小さなおもちゃ屋で 持っているお金で袋いっぱいの風船を買い 夜明けにそれを空へ解き放つ 一つずつ、それが遠く消え去るまで 基地では、ソフトウェアのバグ “そこに何かある!”の光るメッセージ 夏の空に浮かんでいる 99個の赤い風船 [Verse 1] 99個の赤い風船が 夏の空に浮かんでいる パニックのベル、非常アラート 何処からか飛来した何かがここに有り! 軍事兵器が慌ただしく動き出す 熱心に目を開き 上空に照準を合わせる 99個の赤い風船が通り過ぎる時 [Verse 2] 99の決定書 99の閣僚会合 心配で心許なく、右往左往 急いで軍隊を招集 これこそ、我らが待っていたもの 少年たちよ、これが戦争だ 大統領は境界線上 99個の赤い風船が通り過ぎる時 [Verse 3] 99の空の騎士たちが ハイテクジェット戦闘機に搭乗 誰もがスーパーヒーロー 誰もがキャプテン・カーク 事態の確認と識別、分類せよ その命令と共に 夏の空へとスクランブル発進 99個の赤い風船が通り過ぎる時 [Outro] かつて私が抱いた99の夢 その一つひとつを赤い風船に込めた すべてが終わり、いま私は立っている かつて都市だったこの砂塵の中に ここが私たちが暮らした世界と 証明するものを見つけられるとよいのだけれど… ここに、1個の赤い風船 あなたを想い、空へと放つ~ 概要 ~ ネーナは、1982 年 5 月に
ヴォーカルのネーナ (Gabriele Susanne Kerner)とボーイフレンドのロルフ・ブレンデル(dr)を中心として
西ドイツ・西ベルリンで結成 された5人組のバンドです。
代表曲であり世界各国でNo.1/大ヒットを記録した「ロックバルーンは99」ですが、ドイツ語/英語 ver.の違いなど少しややこしい点もあるので、順を追って説明いたしましょう。
ドイツ語 ver.である「99 Luftballons」 (99の風船)は、メンバーのウヴェ・ファーレンクローク=ペーターゼン(key)が作曲/カルロ・カルゲス(g)が作詞した作品です。
1983年1月の
1stアルバム『Nena』 の収録曲として発表、同年3月に「99 Luftballons」が2ndシングルとしてカットされ、この時点で西ドイツ・オランダ・スイス・オーストリア・ベルギーで1位(年間2位/5位/6位/17位/27位)という
国際的大ヒット となりました。
ネーナのレコード会社は当初「99 Luftballons」を
アメリカ でリリースすることを想定していませんでしたが、
ロサンゼルスのラジオ局KROQのディスクジョッキーが番組で紹介するとアメリカでもじわじわ人気が高まり、恐らく
83年末頃シングルが発売、1984年3月3日付の
Billboard Hot 100 で2位 (年間28位、Cashboxでは週間No.1/年間31位)という
ドイツ語曲として史上初の快挙 を成し遂げています。
この波動は
日本のオリコン洋楽シングルチャートで同年4月2日付から4週連続No.1 、フランスで年間16位/オーストラリアで年間18位を及ぼしました。
更に1984 年 4 月 8 日には、1stアルバム『Nena』と2ndアルバム『? (Fragezeichen)』の収録曲から11曲を編集・うち 5 つを英語歌詞で再録音した
コンピレーション・アルバム『99 Luftballons』 を発売、「99 Luftballons」の
英語 ver.「99 Red Balloons」 はメンバーではない Kevin McAlea によって作詞されました。
「99 Red Balloons」は、まだヒットが及んでいなかった
イギリスとカナダでNo.1 (それぞれ年間15位/13位)と大ヒットを記録しています。
「99 Luftballons」
の
PV は元々オランダの音楽番組『TopPop』のために制作、1983年3月13日に放送されたものですが撮影場所はオランダの軍事訓練キャンプで、
軍に提供された爆弾のあまりの迫力 にメンバーがリアルに怖がりステージから逃げ降りるような場面も見られるでしょう。
一方「99 Red Balloons」
では、同じ映像を基本としながら一部がライブ映像に置き換えられています。
ネーナというと本曲による
“一発屋”のイメージ のある方が多いと思いますが、それは世界規模での話であり、1982年のデビューから85年まで西ドイツ及び欧州で高い人気を維持しました。
バンド解散前後に低迷しましたが、2002年のソロ・アルバム『Nena feat. Nena』がドイツで2位と復活を遂げてから2020年の最新作までネーナは国内で7作連続Top6以上を継続中という
“現在進行形のスター” です(右下の2018年のライブは“かっこいい”)。
VIDEO VIDEO VIDEO VIDEO ~ Story ~ Ninety-nine red balloons 99個の赤い風船が Floating in the summer sky 夏の空に浮かんでいる 本作の着想 について、オリジナルの独語歌詞を書いたネーナのギタリスト、カルロ・カルゲスは1982 年 6 月に
西ベルリンで行われたローリング・ ストーンズのコンサートで放たれたたくさんの風船 が、地平線に向かって移動して形を変え奇妙な宇宙船のように見え(ドイツ語の歌詞では「UFO」と表現)、もしそれらが
ベルリンの壁を越えてソビエト宙域に到達したら何が起こるかを考えた と、語っています。
また
【99個の風船】 は、1973年にネバダ州ラスベガスの高校生5人がUFOを模倣し飛ばした99個のマイラーバルーンが上空に浮かんだ大きな赤い物体のように見え、地元で騒ぎとなった新聞記事を引用したとされます。
To worry, worry, super-scurry 心配で心許なく、右往左往 Call the troops out in a hurry 急いで軍隊を招集 本作のキモは、
“なぜ軍隊や戦争に発展するのだろう?ただ風船を飛ばしただけなのに…” でしょう。
結論から言うと、それは“政府権力に大量破壊・●人兵器の保有と使用が認められているから”です。
それは他国も同じであり、その前提で
敵対国が互いに大量破壊・●人兵器を伴って対峙すれば“先に撃たなければ殺される”恐怖心理の中で“戦争の始まり”の判断 を迫られます。
冷戦時代、
ソ連は他国の核攻撃を検知するとたとえ指揮系統が完全に破壊されていても大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射命令を自動的に実行させる『ペリメトル』(欧米は『死の手(Dead Hand)』と呼ぶ)を開発・配備 しており、これが
米ソの全面核戦争を招くと危惧 されていました。
しかしこのシステムの発想も、ソ連がアメリカの先制核攻撃により一方的に国家が崩壊する事態を抑止するためのものであり、これがソ連崩壊後もロシアに引き継がれていると言われ、
ただ銃口を突き付け合うだけでは何十年経とうと問題を何一つ解決できない ことがわかるでしょう。
『安全保障』とは、自国政府の軍事力だけで保障し得るものでなく、対象国との相互信頼を築くことで初めて強固となり得るもの なのです。
It's all over and I'm standin' pretty すべてが終わり、いま私は立っている In this dust that was a city かつて都市だったこの砂塵の中に この物語はフィクションですが、背景にはドイツが歩んだ歴史の影響を感じさせます。
ベルリン は
第二次世界大戦でソ連との激しい市街戦 により“砂塵”経験し、その後も壁一枚で西ベルリン/東ベルリンに隔てられ
市民は長年に亘り東西冷戦の最前線として強い緊張状態 を強いられ続け、恐らく市民の誰もがこの“悪夢のシナリオ”を危惧していたでしょう。
主人公にとって、
“99の風船は99の夢” でした。
故郷が戦争によって砂塵となった中で、
たった一つだけ残った夢 とは、どんなものだったのだろう…
“悪夢のシナリオ” は物語だけでなく、
約80年前は第二次世界大戦により“世界中の現実” でした。
実際にその惨禍を体験していない人にこそ、“砂塵にたった一つ残った夢”の意味を共に考えていただきたいと願っています。
NENA | 99 Red Balloons [1984] (Official HD Music Video) VIDEO ----------------------------------------------------------------------------------------
~ 戦争という極悪非道は大量●人破壊兵器と、“邪心”に魅入られた権力者によって最大化される ~ 「核兵器は、存在する限り人類滅亡の可能性をはらんでいる。その可能性をゼロにするためには、廃絶の他ない」 2023.8.6.原爆死没者慰霊式・平和祈念式 湯崎英彦・広島県知事
この問題の“真理”であり、唯一の“正論”です。
8/3、英医学誌ランセットなど
100を超える医学誌が世界に対し異例の共同論説 を発表し
「世界に約1万3000発ある核兵器のうち250発が使用されただけで、1億2000万人が死亡する恐れがある」と警鐘 、核兵器による脅威が「重大で、かつ増している。われわれを滅ぼす前に核兵器を廃絶しなければならない」と、保有国に緊急行動を促しました。
また
『核の放射能汚染』 について、
日本だけで原爆6000発分ものプルトニウムを保有する『原子力発電所』 はより実現性の高いリスクであり、東日本大震災時・吉田昌郎所長は「福島第一原発事故だけで東日本壊滅」を想定、原子炉30基分の使用済燃料を集めた
「六ヶ所再処理工場に万が一が起これば北半球壊滅の可能性」 も指摘されています。
今年の原爆式典では湯崎・広島県知事、松井一実・広島市長、鈴木史朗・長崎市長が口を揃えて「核兵器を保有して戦争を抑止」する
『核抑止論』 を批判
しましたが、核抑止論は
真の目的を覆い隠すための“暗幕(口実)” に過ぎず、そこを批判しても核廃絶の実現はないでしょう。
彼らの
真の目的は『核兵器保有とそれに伴う利権』であり、批判されるべきはその“邪心” です。
VIDEO VIDEO 【核抑止は破綻】78回目の原爆の日 核抑止論を真っ向から否定「万が一核抑止が破綻した場合、全人類の命、場合によっては地球上の全ての生命に対し、責任を負えるのですか」 / 【解説】紛争の裏で軍需産業と大国が大儲け!?武器ビジネスその仕組みとは 産業革命以降の科学の目覚ましい発展により、
兵器は飛躍的・効率的に大量●人・破壊を可能に しましたが、第一次・第二次世界大戦は
『大量●人破壊兵器と多国間軍事同盟を伴った戦争』 が起きれば
「死者数千万人に上る時代の到来」 を実証し、
核兵器の登場は「死者数が億単位~人類滅亡に及ぶ可能性」 を示唆しました。
本来、そのような
人類最大のリスクを直ちに取り除くのが国家政府及び国際機関の存在価値 ですが、
その当事者である米・露(ソ)・中ら覇権国家は寧ろ「大量破壊・●人兵器の保有により自国の外交的・軍事的優位を誘導」 し、特に
アメリカ は政治権力者のパトロンである
“死の商人(軍需産業)”を軍産複合体として莫大な国家予算 (2023年度のアメリカの軍事費は8864億ドル;
約121兆円 )を配分し、
軍需産業自体が米国経済の血肉 となっています。
121兆円もの軍事(大量●人・破壊)予算を国民に公認させるには余程の大義名分が必要 であり、だからこそ
「殊更に
中露への脅威と敵愾心を煽り 」、
「(核兵器を含め)
軍備拡充は戦争抑止に不可欠」と喧伝 、強大な軍事力(「敵国に勝る最新兵器」と「軍隊の練度」)を維持し続けるため
「
毎年のように本国から遠い世界で戦乱を工作 (実戦での実験データ・兵士の経験)」し、
実戦使用に裏付けられた
「アメリカ製兵器を同盟国に売り込む」 (
2020年に米国は日本とNATO諸国にGDP比2%以上の軍事予算拡大(=米国兵器をもっと買え)を要求 )…
そんな“邪心”のために世界平和が脅かされ続けてきた のです。
そして現在行われている
ウクライナ戦争もそんな“邪心”によって引き起こされた戦争の一つ で、私は
「主演;ロシア/ウクライナ、脚本;アメリカ」 と捉えています。
アメリカとNATOはウクライナを支援、アメリカの軍事同盟国・日本もこれに同調しているため
国内メディアも事象を「ロシア;敵/ウクライナ;味方」として“プロパガンダ” しているため、
「アメリカが長年に亘りロシアを脅迫し戦争に誘導」してきた“不都合な真実” を報じません。
平和を尊重するなら ソ連崩壊後のNATO/東欧/ロシアの協定により
東欧諸国は“中立国(緩衝地帯)”とすべき ですが、
アメリカは 1990年代後半に「東欧諸国を次々とNATOへ引き入れ」、
2008年4月のNATO首脳会議で
「(ロシアと接する)ウクライナとジョージアの将来的なNATO加盟を合意」 、これが同年8月のロシアによるジョージアへの軍事侵攻を誘発しました(※如何なる理由でも侵略は許されない)。
ロシアには第二次大戦でドイツに急襲され2,700万人が犠牲となった歴史があり、
首都モスクワから1000㎞にも満たないウクライナがロシアを仮想敵とする軍事同盟NATOに加盟・ミサイル配備すればどれほどロシアにとって脅威となるか は、アメリカの喉元にソ連の核ミサイルが配備された
『キューバ危機』を顧みれば明白 でしょう。
圧倒的な経済力と軍事力を保有する
アメリカにとって『ウクライナ戦争』は“掌上の事” であり、
「ロシアの国力消耗・分裂/プーチン失脚」の目的 の下、プーチン大統領の野心と余命への焦りを利用し
「ウクライナへの侵攻を誘引」、ウクライナへの兵器供給量を調整して「戦争を長期化」させている と、私は考えています。
一方、
『ロシアの軍事侵攻はアメリカ軍産複合体にとって絶好の商機』 であり、「実戦に基づき新兵器を開発・強化」し
ロシアへの脅威を煽って「拡大させた顧客(同盟国)へ米国兵器を売り込む」 のです。
そのために犠牲となっているのがウクライナ国民とロシア兵士 ですが、
メディア統制により“アメリカの平和に対する罪”が覆い隠され、「兵器供給こそ必要な支援」が強調 されています。
戦争が続く限り犠牲者は増大するだけで、
急がれるべきは「兵器供給」ではなく『停戦』 です。
たとえF16戦闘機を大量に供与し一時的に追い込んでも、
ロシアには核兵器があり、プーチン大統領がそれを使わず敗北を認めるとは想像できません。 (
2020年の『ロシア連邦の核抑止に関する国家政策の基本諸原則』には
ロシアの大統領が核兵器使用を決断するシナリオ の一つとして
「ロシアの『国家存続自体が非常に危機的な局面』での通常兵器による攻撃」 が明記)
『抑止論』は相手が恐れてくれているうちは有効 ですが、ナチスや大日本帝国のように
人命を顧みない“狂人”相手には通用しません。 忘れるべきでない『歴史の教訓』 は、
「ナチスとヒトラーは民主国で生まれ」、そして
「
過去500年に於いて新興国が覇権国の地位を脅かした16件のうち12件が戦争に発展 したこと」であり、今後核保有国でヒトラーのような指導者が選ばれない保証などなく、
“万が一”が起きる可能性は決して妄想レベルではない のです。
日本を裏で操る人々・・・米国軍産複合体とジャパンハンドラーが台湾危機を煽り米製高額兵器を日本に買わせる。自民党とアメリカの思惑。元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊 (
2023/01/14公開)
VIDEO ~ 台湾危機は中国も台湾も望んでいない、中国との敵対は日本の自滅。有事で得をするのは…? ~ 翻って2021年12月1日に
安倍晋三元首相が
「台湾有事は日本有事で日米同盟の有事」 と最初の口火を切ると、2022年1月に
NHKも『台湾危機は2027年までに起きるのか?』を特集 、それを口実に
岸田文雄首相は
敵基地攻撃能力をはじめ「軍事兵器と軍事予算を革命的に増強」 、今年8/8に台湾で自民党の
麻生太郎副総裁が「今ほど
日本 ・台湾・アメリカ
が台湾防衛のため強い抑止力を機能させる覚悟、いざとなったら使う覚悟、戦う覚悟が求められている 時代はない」の趣旨を発言、
あたかも『台湾有事』が近い将来に発生し、日本も台湾・米軍と共に中国との戦争に参加しなければならないかのような“空気”が醸成 されています。
そもそもこのような安全保障(特に好戦的な内容)に関わる重要な事案を、わざわざ元首相/自民党副総裁という閣外の長老に言わせているのが“邪心”の証ですが(いざという時の言い逃れのため)、もし
「内閣・政府がこれを実行したら憲法違反」 です。
また憲法という国内規範に背くだけでなく、これらは日中両国が数十年に亘り築き上げてきた平和的共存共栄の基盤である
1972年の『日中共同声明』、1978年の『日中平和友好条約』にも違反 します。
本条約は「日本が中華人民共和国を中国唯一の合法政権(※つまり台湾はその一部分)と承認した上に成立」 しており、
中国がこれを反故にしたら両国は“明文化された平和友好の約束”を喪失 するだけでなく、
日本は最大の貿易相手と、中国の日中戦争損害賠償請求放棄という外交的大成果までも失う ことになるでしょう(反故になって不利なのは日本)。
しかしNHKが報じた
『台湾危機は2027年までに』 (2021年3月に当時の
米インド太平洋軍司令官の言及)は、信頼性のある情報でしょうか?
「2027年は中国共産党・習近平国家主席の3期目の期限」 で、歴史に残る「政治的な成果」を上げるために台湾統一するという仮説のようですが、私には
“こじつけ” にしか見えません。
幾ら「政治的な成果」が欲しくても
2027年までに中国がアメリカ(及び日本を含む周辺同盟国)と戦争して確実に勝てるレベルになるとは思えないし、
中国にとって最大の目的は「政治・経済・軍事で世界覇者となること(中華思想)」 であり、それを実現する前に自分から不利な戦争を仕掛け国力をすり減らすなど、あまりに愚策です。
唯一軍事侵攻の理由となり得るのは「台湾(中華民国)政府として『独立』を宣言」すること ですが、「台湾にとって中国は最大の貿易国」であり、
「台湾人の殆ど(86.3%)は『現状維持』」を望んで います(独立を望んでいない)。
わざわざ軍事侵攻して友好度と“虎の子”である半導体産業を破壊するよりこれを生かし活用するのが賢明 で、戦争せずとも
アメリカが行ってきたように“工作”で『親中(傀儡)政権』を打ち立てる方が遥かに安全で確実 です。
VIDEO 「台湾も沖縄も軍事的なコマ・・・」米中対立の最前線、二つの島から見た“台湾有事”【報道特集】|TBS NEWS DIG 寧ろ
『台湾有事』はアメリカの“邪心” であり、
「ウクライナ戦争方式」をイメージ すると解り易いでしょう。
そもそも
ロシア・中国は アメリカの覇権を脅かし得るポテンシャルを持った国であり、
アメリカを上回る前に潰しておかなければならない“不倶戴天の敵” です(バブル経済でアメリカを脅かした日本も潰された)。
前述のように
台湾人の殆どは独立を望んでおらず、中国とは波風を立てず穏やかにやっていきたい と思っていますが、
“波風”と立たせているのはアメリカ であり、
「アメリカが政府高官などを訪台させて独立志向の民進党・蔡英文政権を煽っているから」 です(中国軍が台湾周辺で軍事演習するのはそれに対する抗議であり、親中の国民党・馬英九政権の時にはそのようなことは一度も無かった)。
今年1月の調査によると、
多くの台湾人は「米中の覇権争いのために、アメリカが台湾を駒として利用している」と認識 し、そのために「戦争に巻き込まれる」ことを嫌がっています。
核兵器を保有しない日本・韓国・台湾は中国と戦争させても人類を破滅させる全面核戦争には発展せず 、
中国の拡大に恐れを抱くこれらの国に
米国製兵器を売りつけ 中国軍艦の太平洋進出とアメリカ本土への
ミサイルを迎撃する最前線基地 の役割を担わせれば(下図)
“特需”で
軍産複合体は大儲け 、
戦争が長引くほど
中国の国力を衰退 させられます。
たとえ
日・韓・台・中が戦争で衰退しても 、
アメリカにはインドをはじめとする『グローバルサウス』(Global South)に投資・貿易対象を置き換えるだけの話 であり、
「米中両国は決して自国本土に核ミサイルが及ぶような戦争への関わり方はしない」 と、私は考えます。
この図を見れば南西諸島のミサイルが日本国民を守る目的でない ことは一目瞭然。寧ろ日本は自ら災い(戦争)のリスクを増やしている ようにしか見えない。/デモクラシータイムス 麻生氏 台湾で「戦う覚悟」 歓迎する蔡政権 反発する中国【半田滋の眼 NO.84】20230823 気球騒動はどうなった!米国対中政策の混迷【田岡俊次の徹底解説】20230706 VIDEO ~ 戦争は道理を無視し力でねじ伏せた者が権利を得る。黒を白と騙る免罪符…だから皆そこを目指す ~ Never think that war, no matter how necessary, nor how justified, is not a crime. いかに必要であろうと、法に免責されようと、戦争が犯罪でないと考えてはならない。 アーネスト・ヘミングウェイ
●人は“絶対悪” であり、たとえ正当防衛が認められようと、
「かけがえない人命を奪った事実、神と良心の問責を免れるわけではありません」 。
しかし
それだと戦争(桁違いの大量●人)を主導・命令する政治・軍事指導者にとって不都合なため 、
「戦争こそが平和をつくり多くの生命を救う」と社会規範そのものを逆転 させ、
「敵は殺されて当然の悪魔」→
「悪魔を殺すは正義」→
「敵を殺すほど英雄」(狂信的な国は「戦死したら神になる」)と
自らの非道を正当化 します。
「戦争を早く終わらせ、多くの米兵の命を救うため原爆投下を決断した」 ハリー・S・トルーマン
2015年現在もアメリカ国民の56%が認識する
『原爆投下は正当』の根本 となった、ハリー・S・トルーマン米大統領(原爆投下の最高責任者)の1945年8月9日のラジオ演説の言葉で、「45年当時『正当』は85%」でした。
前述のとおり
戦争は、“絶対悪”である●人を正当と欺かなければ国民の協力を得られない ため、当然ここでもトルーマン大統領が「原爆は真珠湾攻撃の報復、多くの米兵の命を救うため」という
『原爆神話』 を創り出し、
政府の検閲により 新型爆弾(原爆)の威力や実際の犠牲者数、そして
それが一般市民が暮らす都市の中心部で使用されたこと、
キノコ雲の下で何が起きていたかを伝える写真や記事など、
米国人は原爆戦争がもたらした真実を殆ど知らされないまま85%が原爆投下を支持 していたのです。
実際に
1945年 は
枢軸国のドイツ・イタリアが降伏し、
日本も既に組織的軍事作戦を実行できる戦力は残っておらず、
全国の都市は無差別爆撃により焼け野原、
アメリカは1945年2月の『ヤルタ会談』でソ連に「ドイツ降伏後3ヶ月以内の対日参戦」を要請(密約)、
7月12日に暗号電報傍受・解読により日本政府が和平工作に動いていることを察知、米陸海空軍参謀本部合同会議も
「日本は既に壊滅状態で原爆を使う必要は無い」と結論 づけていました。
しかし
7月16日に「原爆実験が成功」 すると、
マンハッタン計画責任者として原爆開発を指揮したレズリー・グローヴス陸軍少将 は莫大な国家予算を投入して成果を残さぬまま終戦すると議会で厳しい追及を受けることを恐れ
「戦争が終わる前に原爆を使用しなければならない」と強引に計画の実行を画策 、日本の降伏を誘発させる
ソ連参戦前に原爆を投下しアメリカ単独で降伏させ権益を独占し、
“次の仮想敵”に「力の差を見せつける」こと、
「異なる2種類の原爆の実戦での効果を収集」するため未空襲の広島・長崎を標的とした…というのが私の認識です。
一方、
トルーマン大統領は「個人的には、都市に原爆を投下・市民を殺戮することに反対 し(軍事基地のみ許容)、人々を皆殺しにしたことを後悔していた」ことが記録から判明しており、広島への原爆投下は彼の本意ではなかったものの(※2)、
大統領としての立場上、そして政治家としての利害により上記のように“真実を覆い隠す正当化” を行ったのだろうと想像します(※1)。
(※1;原爆投下の非を認めると、国際的に無差別殺戮を行ったヒトラーと同列視され、国内的にも支持率が急落する)
(※2;原爆投下指令書をトルーマン大統領が承認した証拠は見つかっておらず、
軍が勝手に原爆投下を実行した疑惑 )
奇遇にもこれは
大日本帝国の名目上独裁的な主権者であった昭和天皇 も同様で、
彼も個人的には対米戦に反対しながら意志を貫けず日本を悲惨な戦争へと導き 、前任のフランクリン・ルーズベルト大統領の急死により何も知らないまま原爆の最高責任者となったトルーマン大統領も最後は自分を正当化(その後、より強力な兵器『水爆』を開発)、…
その何れもが、多くの人命を奪った最高責任者でありながら責任を負うことなく権力の座にあり続けたという事実 は、
如何に戦争が人間本来の良心(嘘・●人を行わない)とかけ離れ、権力者と組織の利害を優先し、兵士・国民の命を蔑ろにする概念であるか、明確に指し示している でしょう。
"War is an act of violence in order to force our will upon the enemy." 戦争とは、敵に我々の意志を強制するための暴力行為である "War is the continuation of policy with other means." 戦争は、他の手段をもってする政策の延長である カール・フォン・クラウゼヴィッツ
こうした
「意を異にする国を戦争で従わせることが正当」であるかのような国際社会の風潮の論拠 となっているのが、19世紀プロイセンの将軍カール・フォン・クラウゼヴィッツの軍事戦略を主題とする論文
『戦争論』 (独: Vom Kriege)です。
本書は現代でも米陸軍戦略大学校をはじめ世界中の将校が学び、ビジネスにも応用される普遍性の高い古典ですが、
「研究対象・模範としたのは軍事独裁政権を確立し各国を侵略したナポレオン・ボナパルトとフランス軍」 であり、「暴力による国内統治と侵略戦争を“非”とする21世紀の国家運営に相応しくありません」。
特に
『戦争は政策の延長』は最終的に「戦争の強い国が国際政治の勝者」となる“建て付け” であるため、
これに従えば「軍拡競争は必然で戦争も決して無くならない」 でしょう。
「戦争は、外交の失敗以外の何物でもない。」 ピーター・ドラッカー
欧米だけでなく、日本の企業人や経営学者らに絶大な人気のあったオーストリア人経営学者ピーター・ドラッカーの言葉(※
最初に言及したのは彼ではない可能性 )。
道理を考えれば、誰にでも理解できることです。
外交 は本来特別なことでなく、個人の関係や商売と同じように
相手と誠実に付き合えば友好や信頼も高まる ものであって、“国益”と称し
「如何に相手を欺き脅迫、搾取して自分を有利にするか」ばかり考えているから、争いや戦争 になります。
中国の水産物禁輸「全く想定していなかった」 野村農相 処理水巡り 『福島第一原発事故のALPS処理放射能汚染水の海洋投棄』を行ってはならない 科学的根拠は本ブログでこれまで何度もお伝えしてきた ので今回それを論点としませんが、「
互いの言い分や要請に全く耳を貸さないほど中国との関係を悪化 させ、
日本製品の不買・旅行キャンセルを拡大させた責任、
全国に不審な抗議電話を招いた
結果責任はすべて岸田政権にあり」ます (中国の大反対を無視して強行したら“こうなる”ことは過去の経験からわかり切っていた)。
国民を長年『原発の安全神話』で欺き、
福島第一原発事故で神話の嘘が証明されてなお「世界一厳しい安全基準」と平気で嘘を重ね、
一国の総理大臣が国会で118回虚偽答弁し、
外務省が
グテーレス国連事務総長の言葉を捏造 して伝え、
安倍-トランプによる貿易交渉についても外務省が“確信的誤訳”で真実を歪曲 して伝え、
公的統計の根幹をなす重要性の高い基幹統計さえ4割も“間違い”が見つかる
日本政府の「放射能汚染水の海洋投棄は安全」を鵜呑みにする方がどうかしている と思いますが、今後放射能の海洋蓄積による被害が明らかになった場合、世界を欺いた日本の失う国際的信用と負わされる損害賠償が測り知れません。
(
IAEAは核技術の平和的利用“(原発)の促進を目的”とする原子力ムラの一つである)
(
放射能は長年に亘り蓄積し、食物連鎖により生物の体内で放射能が濃縮してゆく)
岸田首相は将来的に、日本と中国をどのような関係に導くつもりなのだろう… アメリカの“操り人形” にさえなっていれば彼一個は「アメリカの51番目の日本州の長」の地位が約束されるのかもしれないけれど、アメリカがいつまでも世界の覇者でいられるとは限りません。
先に示した
『グローバルサウス』 は中南米やインド・東南アジア・中央アジア、アフリカなどいわゆる「発展途上国」ですが、これらはアメリカが行ってきた“悪事”により「アメリカに恨みを抱いている国」も多く、これに
反米大国の中国とロシア、ロシアと親しいインドが結びつけば将来欧米を圧倒する軍事・経済圏が形成される可能性 があります。
そんなとき日本は
敵対する超大国の中国・ロシアの隣でポツンと“アメリカの弾除け”として存在 することが国益なのでしょうか?
トリガーを引いたまま互いに銃口を向け合う関係は、決して両者に幸福をもたらしません。
【白井聡 ニッポンの正体】入れ替わる米中覇権 ~「米国偏重」日本の選択は?~ VIDEO 最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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