I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「パワー・オブ・ラヴ」ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

2023.09.06

category : Huey Lewis And The News

Huey Lewis And The News - The Power Of Love (1985年)

80年代を象徴する映画(BTTF)とポップ・アイコン(MJF)、HL&TNの「パワー・オブ・ラヴ」♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Huey Lewis, Chris Hayes, Johnny Colla /訳:Beat Wolf

愛の力は興味深い
男に涙を流させ、また歌わせる
鷹を小さな白い鳩に変えてしまう
知覚を超えた直感、それが愛の力

ダイヤモンドより硬く、クリームのように濃厚
悪女の夢より強く、逞しい
性悪を善良に変え、捻じれた心を矯正し
夜だって君を家に居つかせる、それが愛の力

[Chorus]
お金や名声なんて必要ない
この列車に乗るためのクレジットカードさえ必要ない 
力強く、思いがけなく、時に残酷
だけど、君の人生を救うかもしれない
それが愛の力
愛の力…

初めてそれを感じた時、悲しい思いをし
次に感じた時、気が狂う思いをするかもしれない
だけど運命の人にめぐり逢った時、この上ない喜びに満たされる
それが、世界を動かす力

[Chorus 2]

[Bridge]
“愛に於いてはすべて正しい”と、人は言う
そうさ、でも君なら気にしない
何を為すべきか知っている
心を擒にされた時
ちょっとだけ天の助けを借りて
愛の力を感じる
愛の力を…
Can you feel it?

[Outro]



~ 概要 ~

「パワー・オブ・ラヴ」はアメリカのロック・バンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(HL&TN)が1985年7月公開の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(BTTF)の主題歌として提供した楽曲で、同サウンドトラック・アルバムに収録、シングルとして8/24から Billboard Hot 100 で2週連続No.1(年間15位)に輝いた彼らの代表曲です。
また本曲は1986年8月リリースの4thアルバム『FORE!』の日本盤とUK盤にもボーナス・トラックとして当初から収録されていたため、日本ではこのアルバムの正規の収録曲と思っていた人も少なくないでしょう。

“同年の全世界における最高の興行収入を記録した映画/世界的大ヒットを遂げたその主題歌”でしたが、第58回アカデミー賞ではライオネル・リッチーの「セイ・ユー・セイ・ミー」に敗れ(ホワイトナイツ/白夜)、第28回グラミー『最優秀レコード賞』も自身が参加したUSAフォー・アフリカの「ウィ・アー・ザ・ワールド」に敗れてしまいました。
一方、第13回アメリカン・ミュージック・アワードでは【Favorite Single】と【Favorite Video Single】の2冠に輝いています。

本曲の作者はヒューイ・ルイスとクリス・ヘイズ、ジョニー・コーラの3人のメンバーですが、HL&TNは映画のエンドクレジット用にもう一曲「Back in Time」を提供しており、こちらは先の3人とショーン・ホッパーによって書かれたナンバーです。
劇中に於いて「The Power Of Love」は序盤、主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)がスケートボードで学校に向かう場面で使用されています。
またマーティの所属するバンドが高校の体育館でオーディションを受けるシーンで演奏したのも本曲であり、イントロを聴いただけで“音が大きすぎる”と言って演奏を止めさせた審査員こそ、ヒューイ・ルイス本人(カメオ出演)です!
そして落選し落ち込むマーティを恋人ジェニファーが励ますシーンでは、彼女が別れ際に手渡した紙に“I love you!”のメッセージが書かれており、マーティが笑みを取り戻したその短い場面にも本曲が使用されています。

PVはHL&TNが活動を始めたころ頻繁に通っていたナイトクラブ(Uncle Charlie's)で午前3時まで掛かって撮影されたもので、映像の冒頭には映画の主要人物の一人ドク(クリストファー・ロイド)がHL&TNのライブ会場に“デロリアン”(タイムマシン)に乗って登場する演出が編集されています。
日本では特に映画BTTFとその主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)、そしてそのテーマ曲が同一化したイメージが強く、マイケル本人が出演し「The Power Of Love」が背景に使用された【ホンダ・インテグラのCM】が“かっこインテグラ”の名ゼリフで長年国民に親しまれましたが、本車(1991年式4ドアハードトップタイプ)は明仁天皇が2019年までプライベート用の愛車として運転されていことでも知られました。


 
 



~ Story ~

Change a hawk to a little white dove
鷹を小さな白い鳩に変えてしまう
Stronger and harder than a bad girl's dream
悪女の夢より強く、逞しい

不連続のライン…
本曲はタイトルもメロディも極めてキャッチーですが、歌詞の比喩が案外ユニークです。

鷹は鋭い爪で獲物を“鷲掴み”に襲う猛禽類、鳩は世界的に“平和の象徴”です。
昔NHKで放送された人形劇『三国志』で、三国一の猛将・張飛の娘が“父上は矛を持たせれば誰よりも強いのに、母上の言うことは何でも聞く”…ような言及していたのを思い出しましたが、それこそ“愛の力”でしょう。

【悪女】というと、“色香で男を手玉に取り欲望のものを得る”イメージですが、“愛の力”はそれにも揺るぎません。
でも「悪女」は悪女なりに辛かったり、その強さに人知れぬ努力があることを、中島みゆき先生が教えてくれました…。

 

They say that all in love is fair
“愛に於いてはすべて正しい”と、人は言う
That's the power makes the world go'round
それが、世界を動かす力

【They】とはスティーヴィー・ワンダーの「All In Love Is Fair」でしょうか…
或いは【All is fair in love and war.】恋と戦争では何でも正しい/恋と戦争は手段を選ばない)という諺があり、つまりは“勝てば官軍”です(※スティーヴィーは“敗者の弁”としてそれを描いている)。

でもヒューイ先生の教えによると、その極意は“恋のかけひき”が上手になることでなく(天の助けを借りて)“愛の力を感じる”ことであり、だからこそストレートなロックが似合います。
同じフレーズを用いながらスティーヴィーとヒューイでテイストが真逆なのは創作時、スティーヴィーが離婚直後、ヒューイがまだ新婚で2人の幼い子供がいたことが影響を及ぼしているのかもしれません。

一方【love makes the world go round.】も諺で、“人々がお互いに愛情と尊敬を示し合うならば、世の中はもっと住み良いものになる”というニュアンスが込められています。






~ Epilogue ~

HL&TNにとって、映画のサウンドトラックへの参加はこの時が初めてでした…
映画制作チームのボブ・ゲイル(脚本)、ロバート・ゼメキス(脚本/監督)、スティーヴン・スピルバーグ(制作総指揮)に打診された時、HL&TNは主人公のお気に入りのバンドという“特別な位置づけ”にあることを説明されたにも拘らず(劇中ではマーティの部屋にアルバム『Sports』のポスター/オーディションもHL&TNの曲)、ヒューイ自身は映画音楽の書き方がわからず「Back to the Future」という曲も想像できなかったためこの仕事に乗り気でありませんでした。
しかしゼメキス監督が楽曲は映画に関するものである必要はないと保証したことにより、ヒューイもオファーを受け入れています。

映画がクランク・インするとヒューイは“凄い歌が出来そうだ、「In The Nick Of Time」という曲だ”と説明していましたが、それがいつの間にかライ・クーダーが曲に手を加え女性ソウル歌手パティ・ラベルが歌唱し映画『マイナー・ブラザース/史上最大の賭け』(Brewster's Millions)のエンド・タイトルに使用される事となり、BTTF側を慌てさせました。
BTTFの音楽監督であるボーンズ・ハウが問い質すと、ヒューイは“気にすることはない、「Back in Time」という凄い曲をいま書いている。エンド・タイトルはこれでキマリだ!”と説明されたといいます。

 
Patti Labelle - In the nick of time (From Brewster's millions movie) Complete version

しかし上記した【劇中のオーディションでマーティが演奏するHL&TNの曲(The Power Of Love)】のテープが送られてきたのは撮影日の直前のことで、しかも中身は未完成で歌詞の無いインストゥルメンタルだったため、“(原因を作った)ヒューイ本人が歌い出し前に演奏を制止する”という強烈なオチ(“迷”場面)が生まれました。
結局その「The Power Of Love」の完成テープが届いたのは映画仕上がりの2・3日前でまさに“In The Nick Of Time(間一髪)”だったものの、ボーンズが“大ヒットする、素晴らしい曲”と評したとおり本曲は世界中でNo.1に輝き、映画の大ヒットに貢献しています。

またヒューイ自身は「The Power Of Love」について、次のように振り返っています。
僕らが思っている以上に強力な曲だ。愛というのは年を重ねるごとに、自分たちのなかで一番大切な感情になっていく。 愛は本当に世界を動かすものだ。この狂った世界にいて、そこにいる人々に囲まれながら、どうやったら上手くやっていけるものだろうかと考えたりする。そのために愛が必要なんだ…”

“信じることさ 必ず最後に愛は勝つ…”
あなたが挫けそうな時、その思いを後押ししてくれる歌 ♪




Huey Lewis & The News - The Power Of Love (Official Video)

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
関連記事
スポンサーサイト



tags : 1985年 ロック/ポップ 希望の愛 恋のアドバイス スポーツ/ドライブ 映画80's マイケル・J・フォックス CM曲 

コメント

久しぶりの更新でしたね~!健康面で何かあったのか?とちょっと心配していました。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースと言えばやはりこの曲ですね!実はまだ彼らを一度も取り上げていないんですよ!そろそろ自分も再勉強・曲の整理をして記事を書いてみようと思っています。この有名曲ではなく「ハート・オブ・ロックンロール」、「いつも夢見て(If This Is It)」にしてみようかなとも思っています。
(PS)コチラも一般記事・洋楽記事、両方とも更新しておりますのでまた遊びに来られてください。

2023.09.07  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

ご心配をおかけいたしました。でも健康面は問題ありません。
本記事編集中にネットでヒューイ・ルイスを一発屋と思っている人もいて思わず苦笑しましたが、それほどこの曲が有名ということですね。
ただ実際ヒューイ・ルイスはこの曲以外にヒット曲も多いので記事には困らないでしょう。

2023.09.07  Beat Wolf  編集

懐かしいですね。何に目が行ったかって、古いアメリカの車~!
今とは全然違う、無駄に大きなアメ車かな。

2023.09.08  bluskyus  編集

bluskyusさん

そういえば今回デロリアンもかなり古臭く見えました。
車体もエンジン音も無駄に大きい程、車好きにとってはたまらないでしょうね。

2023.09.08  Beat Wolf  編集

こんにちは。

「back to the future」の主題歌だったんですね。良い映画には必ず良い音楽がついています。もちろん才能あるアーティストに依頼するからでしょうが、ラッシュを見て、そのテンポ感や曲調からイメージを発展できるからでしょうか。映画はSF的ですが、映像はかなり前のアメリカですからそのアンバランスが面白いですが、音楽はやはり80年代の元気なロックです。

2023.09.11  忠      編集

忠さん

ヒューイ・ルイスは当時最も人気のあったアメリカのロックバンドの一つだし、BTTFやMJFとの相性もぴったりです。
映画の大半は50年代でかなり昔なので、あまりハード過ぎたり新し過ぎるサウンドは合わないでしょう。
でもその時代のギャップは、劇中でマーティが思わずやってしまった後年のギター奏法に対する当時の人々の反応として見どころの一つとなっています。

2023.09.11  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず音楽が大好き♪


参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.