[Bridge] “愛に於いてはすべて正しい”と、人は言う そうさ、でも君なら気にしない 何を為すべきか知っている 心を擒にされた時 ちょっとだけ天の助けを借りて 愛の力を感じる 愛の力を… Can you feel it?
[Outro]
~ 概要 ~
「パワー・オブ・ラヴ」はアメリカのロック・バンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(HL&TN)が1985年7月公開の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(BTTF)の主題歌として提供した楽曲で、同サウンドトラック・アルバムに収録、シングルとして8/24から Billboard Hot 100 で2週連続No.1(年間15位)に輝いた彼らの代表曲です。 また本曲は1986年8月リリースの4thアルバム『FORE!』の日本盤とUK盤にもボーナス・トラックとして当初から収録されていたため、日本ではこのアルバムの正規の収録曲と思っていた人も少なくないでしょう。
“同年の全世界における最高の興行収入を記録した映画/世界的大ヒットを遂げたその主題歌”でしたが、第58回アカデミー賞ではライオネル・リッチーの「セイ・ユー・セイ・ミー」に敗れ(ホワイトナイツ/白夜)、第28回グラミー『最優秀レコード賞』も自身が参加したUSAフォー・アフリカの「ウィ・アー・ザ・ワールド」に敗れてしまいました。 一方、第13回アメリカン・ミュージック・アワードでは【Favorite Single】と【Favorite Video Single】の2冠に輝いています。
本曲の作者はヒューイ・ルイスとクリス・ヘイズ、ジョニー・コーラの3人のメンバーですが、HL&TNは映画のエンドクレジット用にもう一曲「Back in Time」を提供しており、こちらは先の3人とショーン・ホッパーによって書かれたナンバーです。 劇中に於いて「The Power Of Love」は序盤、主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)がスケートボードで学校に向かう場面で使用されています。 またマーティの所属するバンドが高校の体育館でオーディションを受けるシーンで演奏したのも本曲であり、イントロを聴いただけで“音が大きすぎる”と言って演奏を止めさせた審査員こそ、ヒューイ・ルイス本人(カメオ出演)です! そして落選し落ち込むマーティを恋人ジェニファーが励ますシーンでは、彼女が別れ際に手渡した紙に“I love you!”のメッセージが書かれており、マーティが笑みを取り戻したその短い場面にも本曲が使用されています。
PVはHL&TNが活動を始めたころ頻繁に通っていたナイトクラブ(Uncle Charlie's)で午前3時まで掛かって撮影されたもので、映像の冒頭には映画の主要人物の一人ドク(クリストファー・ロイド)がHL&TNのライブ会場に“デロリアン”(タイムマシン)に乗って登場する演出が編集されています。 日本では特に映画BTTFとその主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)、そしてそのテーマ曲が同一化したイメージが強く、マイケル本人が出演し「The Power Of Love」が背景に使用された【ホンダ・インテグラのCM】が“かっこインテグラ”の名ゼリフで長年国民に親しまれましたが、本車(1991年式4ドアハードトップタイプ)は明仁天皇が2019年までプライベート用の愛車として運転されていことでも知られました。
~ Story ~
Change a hawk to a little white dove 鷹を小さな白い鳩に変えてしまう Stronger and harder than a bad girl's dream 悪女の夢より強く、逞しい
They say that all in love is fair “愛に於いてはすべて正しい”と、人は言う That's the power makes the world go'round それが、世界を動かす力
【They】とはスティーヴィー・ワンダーの「All In Love Is Fair」でしょうか… 或いは【All is fair in love and war.】(恋と戦争では何でも正しい/恋と戦争は手段を選ばない)という諺があり、つまりは“勝てば官軍”です(※スティーヴィーは“敗者の弁”としてそれを描いている)。
一方【love makes the world go round.】も諺で、“人々がお互いに愛情と尊敬を示し合うならば、世の中はもっと住み良いものになる”というニュアンスが込められています。
~ Epilogue ~
HL&TNにとって、映画のサウンドトラックへの参加はこの時が初めてでした… 映画制作チームのボブ・ゲイル(脚本)、ロバート・ゼメキス(脚本/監督)、スティーヴン・スピルバーグ(制作総指揮)に打診された時、HL&TNは主人公のお気に入りのバンドという“特別な位置づけ”にあることを説明されたにも拘らず(劇中ではマーティの部屋にアルバム『Sports』のポスター/オーディションもHL&TNの曲)、ヒューイ自身は映画音楽の書き方がわからず「Back to the Future」という曲も想像できなかったためこの仕事に乗り気でありませんでした。 しかしゼメキス監督が楽曲は映画に関するものである必要はないと保証したことにより、ヒューイもオファーを受け入れています。
映画がクランク・インするとヒューイは“凄い歌が出来そうだ、「In The Nick Of Time」という曲だ”と説明していましたが、それがいつの間にかライ・クーダーが曲に手を加え女性ソウル歌手パティ・ラベルが歌唱し映画『マイナー・ブラザース/史上最大の賭け』(Brewster's Millions)のエンド・タイトルに使用される事となり、BTTF側を慌てさせました。 BTTFの音楽監督であるボーンズ・ハウが問い質すと、ヒューイは“気にすることはない、「Back in Time」という凄い曲をいま書いている。エンド・タイトルはこれでキマリだ!”と説明されたといいます。
Patti Labelle - In the nick of time (From Brewster's millions movie) Complete version
しかし上記した【劇中のオーディションでマーティが演奏するHL&TNの曲(The Power Of Love)】のテープが送られてきたのは撮影日の直前のことで、しかも中身は未完成で歌詞の無いインストゥルメンタルだったため、“(原因を作った)ヒューイ本人が歌い出し前に演奏を制止する”という強烈なオチ(“迷”場面)が生まれました。 結局その「The Power Of Love」の完成テープが届いたのは映画仕上がりの2・3日前でまさに“In The Nick Of Time(間一髪)”だったものの、ボーンズが“大ヒットする、素晴らしい曲”と評したとおり本曲は世界中でNo.1に輝き、映画の大ヒットに貢献しています。
またヒューイ自身は「The Power Of Love」について、次のように振り返っています。 “僕らが思っている以上に強力な曲だ。愛というのは年を重ねるごとに、自分たちのなかで一番大切な感情になっていく。 愛は本当に世界を動かすものだ。この狂った世界にいて、そこにいる人々に囲まれながら、どうやったら上手くやっていけるものだろうかと考えたりする。そのために愛が必要なんだ…”
“信じることさ 必ず最後に愛は勝つ…” あなたが挫けそうな時、その思いを後押ししてくれる歌 ♪
Huey Lewis & The News - The Power Of Love (Official Video)
久しぶりの更新でしたね~!健康面で何かあったのか?とちょっと心配していました。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースと言えばやはりこの曲ですね!実はまだ彼らを一度も取り上げていないんですよ!そろそろ自分も再勉強・曲の整理をして記事を書いてみようと思っています。この有名曲ではなく「ハート・オブ・ロックンロール」、「いつも夢見て(If This Is It)」にしてみようかなとも思っています。 (PS)コチラも一般記事・洋楽記事、両方とも更新しておりますのでまた遊びに来られてください。
「back to the future」の主題歌だったんですね。良い映画には必ず良い音楽がついています。もちろん才能あるアーティストに依頼するからでしょうが、ラッシュを見て、そのテンポ感や曲調からイメージを発展できるからでしょうか。映画はSF的ですが、映像はかなり前のアメリカですからそのアンバランスが面白いですが、音楽はやはり80年代の元気なロックです。
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