I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」ビートルズ

2013.11.12

category : Beatles & Solo

Beatles - The Long And Winding Road1 Beatles - The Long And Winding Road2


The Beatles - The Long And Winding Road(1970年)


~ポール・マッカートニー来日公演『アウト・ゼアー・ジャパン・ツアー』は、究極の“お○○○し”!~

11・12日と、京セラドーム大阪での2公演を無事に終えたポール。
メドレーを含め全39曲・約2時間45分、どうやらこれまで各国で演奏された通りのセット・リストが披露されているようですね。
しかし、これだけのステージを終えた後にでもLINE(ライン)でファンとコミュニケーションを図る元気があるというのですから、この71歳には恐れ入ります!

でも…誰ですか?
“マイド~”とか、“オオキニ~”なんて関西弁をポールに仕込んだりしたのは!
(東京だと、今年オリンピックを招致させた流行語、“お・も・て・な・し”!?


~概要~

「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は1970年(英;5月8日・米;5月18日)に発売されたビートルズの13作目のオリジナル・アルバム『レット・イット・ビー(Let It Be)』の収録曲です。
イギリスではシングル・カットはなく、アメリカで5月11日にリリース(B面は「フォー・ユー・ブルー」)され、結果アメリカでのラスト・シングルにしてビートルズにとって最後(20曲目)のBillboard No.1(2週/年間45位)シングルとなりました。

作者・ヴォーカル共にポールで、美しい歌詞と哀愁あるメロディーは彼のビートルズ楽曲の中でも屈指のバラードといえるでしょう。
いろんなバージョンがあるのでその一部紹介と合わせ、作品の説明を進めます…。


~映画『Let It Be』/ネイキッドver.~



1970年5月20日(英)より公開されたビートルズのドキュメンタリー映画『Let It Be』で演奏されたバージョンで、1969年1月2日~1月16日に掛けてトゥイッケナム映画撮影所で撮影された音源が素になっています。
“Get back=原点に返ろう”という趣旨に基づき、デビュー当時のようにオーバーダブ(多重録音)を一切行わないアプローチを採っているため、サウンドは非常にシンプルです。
そのためポールのピアノの美しさが際立ち、間奏ではビリー・プレストンのハモンド・オルガンのソロを聴くこともできます。

歌詞の一部がアルバム・バージョンとは異なっていて、2003年にリリースされたアルバム『レット・イット・ビー...ネイキッド(Let It Be... Naked)』にリミックスされたのは、このバージョンです。


~アルバム『Let It Be』ver.~

1969年1月31日にアップル・スタジオで録音されたライブ音源が素になっていて、今回の動画はこれを用いています。
1970年3月23日、ジョン・レノンとマネージャーのアラン・クレインの依頼を受けたフィル・スペクターがアルバム『Get Back』の再プロデュースを始めますが、このことは作者の一人であるポールには何の相談も通知もないままに実行されました。
フィル・スペクターといえばウォール・オブ・サウンドと称される“幾重にも音を重ねるオーバーダブ”が持ち味であり、彼が携わるとなると『Get Back』本来の“オーバーダブを一切行わない”という趣旨とは正反対のサウンドになることは、ジョンにも分かっていたはずですが…。

4月1日、36人編成のオーケストラと14人の女声コーラスによる“盛大なる音源”が録音され「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」へとオーバーダブすると、翌2日にアルバムの再編集作業も完了しています。
それを知ったポールは彼の意思に反するこの音源を差し止めようとフィル・スペクターに連絡を取るも繋がらず、アラン・クレインに抗議を申し出るも無視されたままアルバム『Let It Be』として発売されてしまい、長年に亘る禍根を残すこととなるのです。
『Let It Be』の他の曲に比べても「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」へのオーバーダブは入念であり、オーケストラや女声コーラスが聴き応えある反面、ポールの美しいピアノも存在感が薄れ、ほかのメンバーの演奏はほとんど聴こえません。


~『ヤァ!ブロード・ストリート』ver.~

1984年に、ポール自身が脚本&主演を務めた映画『ヤァ!ブロード・ストリート』でセルフ・カバーしたバージョンです。
大胆にサックス・ソロをあしらったアレンジは当時かなり違和感がありましたが、今聴いてみるとコレもナカナカ…♪


~ライブver.~

ウイングス以降、多くのライブで演奏されてきましたが、全てのバージョンの中で私はライブ版が一番好き!
特に、ポールがピアノを玩びながら“The Long ~♪”と歌い始める展開が、タマリません!!
年代によって少し違いますが一貫して言えるのは、“70年当時のような切なさはなく、究極的に甘美”であること♪
こんなに切ない歌も、心の平穏を取り戻したポールにとっては、これほど優しいフィーリングをなぞらせるのでしょうネ…。


~Lyrics~

The long and winding road
長く、曲がりくねった道
That leads to your door
それは、君の扉へと続き…

作品について、ポール自身は“誰もが経験する悲しみ、歩かなければならない長い道のり、辿り着けないドア…”を歌にしたと語っていますが、“これが何を意味するか”ピンとこないファンはいませんよね!
でも、一般論としてもこの歌の詞はとても美しく、心の中で切ない想いをひっそり抱く方も多いことでしょう…。


Crying for the day
昼夜、心が泣き叫ぶ
Why leave me standing here
何故、僕は置き去りにされたままなのか

ポールがビートルズを脱退した際の言葉…
“僕がビートルズをやめたんじゃない。ビートルズがビートルズを置き去りにしたんだ。”
…を示唆しているかのようです。
事情を知らない外部の人からするとポールの脱退によりビートルズが終焉したように見えるかもしれませんが、実際(心理上)はとうの昔に他の3人がビートルズを離れて行ってしまったのであり、ポールは“空になったビートルズ”の中に独り取り残されていただけだと言いたかったのではないでしょうか…。


Anyway you'll never know
そんな想い、君は知る由もない
The many ways I've tried
どれほど、僕が努めていたかなんて…

“ビートルズ存続のために心を砕いてきた僕の苦労なんて、君たちには解らないだろう?”
…そう、他のメンバーに問うているかのようです。
でも上段のフレーズは、ネイキッドver.では正反対に替えられていて…
Anyway you've always known
君は、いつだって知っていたはず

意味深…
というか、恨み節が入ってる!?


~Epilogue~

叶わぬ想い…
「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は、悲しみの歌です。
他のメンバーの誰よりビートルズの存続を願い続けたポールにとって、突きつけられた現実はまさに悲劇でした。
こんな時、心に平穏を取り戻した未来のポールが当時のポールに、こう語り掛けたかもしれません…。

Hey Paul, don't make it bad
なぁポール、そんな弱気でどうする?
Take a sad song and make it better
悲しい歌も、心ひとつで明るくなるものさ…

えっ!ドッカで聴いたことのあるフレーズ?
でも、やっぱり歌ってイイものですよね…♪


「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」/和訳&Lyrics
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tags : 1970年 バラード ピアノ 哀愁 レット・イット・ビー 

コメント

名曲はやっぱり…

素敵で、素晴らしいですねぇ…。

不覚にも、泣きながら読み、聴きました…。
バラードで、超が付く有名な歌かもしれませんが、
大好きな歌のひとつです。
(ため息しかでません…。
動画と訳詞。
素敵ですねぇ…。
再確認しつつ、御見それ致しました<(_ _)>)


2013.11.12  sunbluelovely  編集

Re: 名曲はやっぱり…

せつない歌ですよね。
でもsunbluelovelyさんは、ライブ版をお聴きになったことがありますか?
バリーに負けないくらい「大甘」ですから、ぜひ聴いてみてくださいネ!

お褒めいただき、光栄です。
とっても励みになるお言葉、ありがとうございます♪i-237

2013.11.14  Beat Wolf  編集

こんばんは♪

「The long and winding road」はビートルズの曲の中でも
かなり好きな曲のひとつです♪
哀愁を感じる切ないメロディ、美しい曲dすよね。
神戸の友人が火曜に行ってきたようです。
アンコールも結構演ったようですね♪
あ~、楽しみ(*^_^*)
それにしても、今日は大相撲観戦までしてましたね。
元気だなぁ!!

2013.11.15  そふぃーおばさん  編集

遙か彼方に引き戻されるような、ポールのピアノと声☆音楽に浸る。。。私の空間☆
Beat Woifさんに感謝です。

解説も、当時は何も分からなかったことが良く理解出来ます。

2013.11.15  ☆dct☆  編集

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2013.11.15    編集

そふぃーおばさんさま…

そうでしたか♪
美しい曲ですよね。
私は、オリジナルの切ないカンジも好きですが
ライブのゆったりやさしいアレンジが、もっと好きです。
今回のツアーでは、ややテンポが速めかもしれません…。

大相撲観戦、ニュースになっていましたね!
ひょっとして、「そのために」福岡公演を入れたんじゃないか?
なんて思ったりもします…i-179

2013.11.15  Beat Wolf  編集

☆dct☆さん

確かに、引き戻されるような感覚があります♪
そういう共感を語り合えるのは、私も楽しいですよ。

動画には、ポールが思い浮かべたであろう
バンドが楽しかった頃の写真を込めました…。

2013.11.15  Beat Wolf  編集

匿名さま…

悲しげなメロディですよね。
でも、ライブではとってもやさしいメロディになっているので
ブログのリンクから聴いてみてくださいね。

おぉ、LINEやっておられるのですね!
恥ずかしながら、私はまだです…。
ベジタリアンは、亡妻リンダの影響です。
でも、折角日本に着たのにトロやウニを食べられないなんて、ちょっと勿体無い…?i-179

2013.11.15  Beat Wolf  編集

ピンクのマフラーも(^^)b♪

再度お邪魔致します<(_ _)>

ライブ映像。
まだまだ若さを感じるポールの歌の、
柔らかくて、優しい感じが、またジ~ンときました…(/_;)

レコードの寂しいような、辛いような、切ない感じも好きですが、
なんだか、
ゆとりすら感じる、ライブ版の方が「本当(真意)の歌」を、
聴いているみたいで、コチラのほうがもっと好きかもです(^^)♪

教えて頂き、有難うございます<(_ _)>

(余談ですぅ♪
あ、あにょぉ…
ワタクシにとってポール氏のお声は「永遠の王子様☆ヴォイス」なんざますぅ♪
オッサンヴォイス❤フェチにゃぁ、
バリーの方に軍配ぐぁ、上がっちゃうのでぇすぅ❤
あっ!ポールは、ポールでも、
ポール・ウェラ―なら、バリーも負けるっ!(^^)
ルックスも惨敗かなぁ?…ウヒヒッ♪)

2013.11.15  sunbluelovely  編集

こんにちは。
ポール、お相撲の観戦に来てましたね。
お元気そうな姿が見れて感無量でした。

2013.11.16  かぴさん  編集

Re: ピンクのマフラーも(^^)b♪

そうですね、今と比べると相当に若いです。
でも、ピンクも相当に目立ちますね!

ある意味、ポールはあの頃のような悲壮感のある曲を
書けないだろうし、歌えないのかもしれません。
それだけ、実生活では幸せを感じているのでしょうから。

同じポールでも…
ポール・ウェラ―でしたね!
また、お目が高い…。
クールで知的な方がお好みですね。
そういう意味では、ルックス的にはバリーはタイプではないのでしょうね…。
(典型的な「王子」系だし)i-179

2013.11.16  Beat Wolf  編集

かぴさん

相撲を見るために
福岡公演を行ったのかもしれませんよ?

2013.11.16  Beat Wolf  編集

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2013.11.16    編集

Re: 初めまして。

初めまして。
コメントありがとうございます。
私もレコードたくさん持っていますが、現在はプレーヤーが無いのに
レコードだけが残っています。
既にレコードで持ってるのに、さらにCDで買わなきゃいけないのはキツいですが
プレーヤーがなければ、ただの…?
私の場合は、こうしてブログにも活用してますが。

…そうですか!
私もピーター・セテラの声が大好きで、カラオケでも無謀にマネしていますっ!i-229
特にこの曲は、「素直になれなくて」と同じ位歌いました。
「グローリー・オブ・ラヴ」はブログにも書いてあるし
動画にもちょっと「細工」してあるので、楽しんでくださいね!

私も、ネットで懐かしい曲にたくさん再会しました。
さすがにCD化されてない曲もありますが、そういう再会の感動をブログに綴ったこともあります。
そんな時、ネットがあってよかったなぁ…って、よく思うのです。
こちらこそ、よろしくお願いします♪i-228

2013.11.17  Beat Wolf  編集

切ない

歌詞ですね~(´;ω;`)

「ヘイ・ジュート」も切ない(´;ω;`)

ポールにこれからも頑張ってもらいたいです(・_・、)

2013.11.18  chiyuki  編集

Re: 切ない

chiyuki さんも、「The Long And Winding Road」だったみたいだね!
あんまり暖かくって、帰りたくなかったでしょう。
「せつない」ねぇ…?i-278

2013.11.18  Beat Wolf  編集

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