The Beatles with Billy Preston - Get Back (1969年)~Prologue~ 1969年1月30日は、事実上のビートルズ最後のライブ・パフォーマンスとなった
“ルーフトップ・コンサート (Rooftop Concert)” が行われた日です。
ライブの名前はご存じない方も多いと思いますが、真冬のロンドン・アップル・コア本社屋上での寒そうに演奏する映像や写真の一場面は、ファンの方であれば一度は目にしていると思います。
ルーフトップ・コンサート全体の話は別の機会に譲りますが、今回はその最後を飾った歴史的なナンバーの特集です♪
~概要~ 「ゲット・バック」は1969年4月11日(英)にリリースされたビートルズ19枚目のオリジナル・シングルで、B面はルーフトップ・コンサートでも演奏された「ドント・レット・ミー・ダウン」。
イギリス“ミュージック・ウィーク”誌では6週連続No.1、アメリカ
Billboard Hot 100では17曲目のNo.1(5週連続/年間8位) を記録し全世界で1,000万枚を売り上げ、
「抱きしめたい」 、「ヘイ・ジュード」に次ぐビートルズの中でも3番目のヒット・シングルです。
作者・ヴォーカル共にポール・マッカートニーで、ジョン・レノンはリード・ギター、ジョージ・ハリスンがリズム・ギターという変則的な編成。
変わってるといえば珍しく外部ミュージシャンを起用していて、途中ソロも任される印象的なエレクトリック・ピアノを弾いているのは
ビリー・プレストン で、彼はビートルズ史上唯一シングル曲に共同クレジットとして名を刻まれました。
「Get Back」は
ポールのジョンに対するメッセージ・ソング として有名ですが、実は当初「(Don't Dig) No Pakistanis」(パキスタン人は要らない)というタイトルの作品でした。
当時、イギリスでは大量のパキスタン難民が流入し社会問題に発展、時の首相が彼らに“母国に帰れ”と呼び掛け、ポールはこれに皮肉を込めて反対の意思を示したものだったのです。
しかし逆説的なタイトルをはじめ、反って誤解を招く恐れがあったため現在知られる歌詞に書き換えられています。
~主なバージョンについて~ シングル・バージョン 1969年1月28日、アップル・スタジオで録音された音源が使われています。
ジョージ・マーティン がプロデュースしたこのバージョンは
“フェード・アウト” で終わるのが特徴で、『青盤』や『パスト・マスターズ Vol.2』などベスト盤でよく見かけられます。
VIDEO “ルーフトップ・コンサート”での演奏・その1 1969年1月30日の、“ゲリラ・ライブ”によるものです。
この日「ゲット・バック」は計3回演奏されていますが、このうち映画『レット・イット・ビー』に収録されたのは“1or2回目”と“3回目”の2回分。
一般的に多く紹介 されるのは、“ハプニングなし”の“1or2回目”の映像です。
VIDEO “ルーフトップ・コンサート”での演奏・その2 3回目はこのコンサートの最後を飾る演奏であり、ビートルズ史上としても最後のライブ演奏ですが、こちらは
“ハプニングあり” の映像になってマス!
演奏開始時点で、演奏を止めさせようと警官が屋上まで上がって来てしまっていて、何やらロード・マネージャーの
マル・エヴァンス に話し掛けています。
すると、マルはジョンとジョージのギター・アンプの電源を切ってしまい
突然ギターの音が途絶え ますが、すぐにジョージがそれを復旧させてしまったため、止むなくジョンの電源も入れる…という“ハプニング”をシッカリ証拠映像として残されてしまいました。
演奏終了後、リンゴ・スターの奥さん
モーリーン が大きな拍手と歓声を揚げると、ポールは
"Thanks, Mo.…" と応えます。
ジョンも間髪置かず、
"I'd like to say thank you on behalf of the group and ourselves, I hope we passed the audition.…(バンドを代表して皆様にお礼申し上げます。オーディションに受かるといいのですが…?)" というジョークを忘れません。
このアタリは、ジョンとポールそれぞれの持ち味が出ていて、面白いですネっ♪
また、この部分は下記・アルバム『レット・イット・ビー』バージョンのアウトロに付け加えられています。
アルバム『レット・イット・ビー』バージョン シングル発売から1年以上経ち、ポールがビートルズを脱退してしまった後ようやく世に送り出されたこのバージョンは、1969年1月27日にアップル・スタジオで録音された音源がベースになっています。
ここでは
フィル・スペクター がプロデュースを担当していて、ライブの感じを出すためか曲のイントロやアウトロに
MCのような雑談 が入れられているのが、オモシロい所!
例えば「ゲット・バック」のイントロではスタンバイ中のジョンとポールの“言葉遊び”…
ポール "Rosetta..." ジョン "Sweet Loretta fart thought she was a cleaner but she was a frying pan. " ポール "Sweet Rosetta..." ジョン "Yeah,... The picker, picture the finger, Greg. Okay" ポール "
Oo-wee!..." イチイチ訳しませんが、2番のフレーズをイタズラして遊んでます♪
何故だか、
ロレッタのfart(オナラ) のハナシになっちゃってますケドっ!?
Get Back / The Beatles 投稿者 beatlesuploader アルバム『レット・イット・ビー...ネイキッド』バージョン 2003年、フィル・スペクターのプロデュースを排し
映画『レット・イット・ビー』の音を再現 すべくリミックスしたもので、今回のメイン動画はこれを採用しました。
当時
ミック・ジャガー はビートルズのレコーディングをよく“偵察”に来ていましたが、この映像の
(2:12) にはミックと
チャーリー・ワッツ が映っていますよ♪
~Lyrics~ Jo Jo left his home in Tucson, Arizona そこで、Jo Jo はアリゾナ・トゥーソンの家を出て For some California grass 緑広がるカリフォルニアへと向かった “トゥーソン”って、何処!?
有名な“OK牧場”の近く…とにかく、長閑なトコロです!
この年ポールと結婚することとなるリンダが学生時代を過ごした町。
後にポールはこの地に別荘を買い、1995年には癌で余命を悟ったリンダはここを訪れ、生涯を終えました…。
Sweet Loretta Martin thought she was a woman かわいいロレッタ・マーティンは女の看板を掲げているけれど But she was another man 中身は、まるで男みたい “Jo Jo=ジョン”は誰もが察しが付くと思いますが、私は“Loretta=ヨーコ”だと思っています。
ヨーコはポールに負けないエネルギッシュな活動家であり、さらに精神的にはビートルズの4人が束になっても敵わないほどタフな人です。
私は今回、ポールの本心を察する形で少し踏み込んで訳していますが、ポール本人はジョンに気づかれないよう表現に苦心した節があります…。
~Epilogue~ 実は、私の“Loretta=ヨーコ”説には、それを裏付けるようなエピソードもあります。
この歌のサビに…
Get back to where you once belonged お帰りよ、元いた場所へ …というフレーズがありますが、“ポールはこの部分を歌う時、いつもヨーコの方を見ていた”と、ジョンは語っているようです。
ビートルズを、誰よりも愛し続けたポール…
そのために不可欠な存在である、ジョン…
そのジョンの心をビートルズから奪った女性、ヨーコ…
この物語には、“フクザツな三角関係
”のナゾが秘められている…カモ!?
「ゲット・バック」 VIDEO Writer(s):Lennon-McCartney /訳:Beat Wolf ~Lyricsはこちら~ Jo Jo は一匹狼を気取った男だけど それを全うできないことも、知っている そこで、Jo Jo はアリゾナ・トゥーソンの家を出て 緑広がるカリフォルニアへと向かった * Get back… 戻って来いよ、一度は身を寄せた場所へ Get back… 戻って来いよ、かつての場所へ 戻って来いよ、Jo Jo 君の家へと… * かわいいロレッタ・マーティンは女の看板を掲げているけれど 中身は、まるで男みたい 周りの女の子たちは、彼女に最高の瞬間が訪れたと言うけれど そんな至福は、いつまでも続くものじゃない ** Get back… お帰りよ、元いた場所へ Get back… お帰りよ、かつての場所へ お帰りよ、ロレッタ 君の家へと… ** お帰りよ、ロレッタ ママが待ってるよ ハイヒールと ロー・ネックのセーターで着飾って お帰りよ、ロレッタ Get back… お帰りよ、それぞれの場所へ Get back… お帰りよ…Oh, yeah最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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1969年 Rock/ブルース 物語 レット・イット・ビー
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